多くの企業が陥っているブランディングの落とし穴|真に効果的な方法を伝授

日本国内の企業だけでも相当な数があるうえに海外企業も競合になることから、生き残るための手段として競合との差別化を図り、ブランディングを進める企業は多々あります。しかし、ブランディングとは本来どういったものなのかといったことや、的確なブランディング方法が分からず、不明瞭なブランディングであまり効果を得られていないケースが非常に多く見られます。

これは見方を変えれば、競合が的確にできていないブランディングを自身の企業が確立できれば、多くの競合中から抜きん出ることが可能だということです。

以上のことを踏まえて、多くの企業が取りこぼしているブランディングの意味と効果的な方法を、詳細に解説していきます。

1.なぜブランディングが必要なのか

ブランディングという言葉は知っていても、それが本来どういったものでなぜ必要なのかをよく理解していないと目的が不明瞭になり、デザインを格好良くするなどお門違いのことをしてしまいやすくなります。

せっかくの労力を無駄にしないために、なぜブランディングが必要なのか最初に整理しておきましょう。

1-1.ユーザーのニーズの変化に合わせる

日本国内の多くの市場はすでに成熟期を迎えており、モノの豊かさが満たされてモノ余りを起こす時代にもなってきています。そういった環境の変化の中で、顧客ニーズも物質的な豊かさより心の豊かさを満たしたいというニーズに変化してきています。

つまりこれからの時代は消費者の心を掴み、「多くの似たような商品がある中からこの商品を使いたい」と思わせなければならないということです。この心のニーズを満たせるかどうかが今後の業績を左右するため、企業側はユーザーのニーズの変化に合わせたブランディングが必要不可欠です。

1-2市場競争の激化

市場が成熟しているということは競合がひしめき合っている状態であり、顧客の奪い合いが発生していることを意味します。

より多くのユーザーに選ばれてシェア争いを勝ち抜き、市場の優位な席を獲得するためには、ブランディングで自身の企業と競合を色分けする必要があります。

1-3.価格競争の激化

インターネットで商品に関する情報や口コミを確認することができるうえに、スマホなどを使用していつでも簡単に商品比較をできることから、経営者としても競合と比べられていることは常に肌で感じていることでしょう。

商品のスペックやサービス内容を比較することは、今や当たり前のことです。そのため、ブランディングをして唯一無二感を出し、価格以上の価値を作って比較されない状態にならなければ、価格競争から抜け出すことは非常に困難です。

1-4.企業の競争力を強める

企業のブランディングが成功すれば、ユーザーから見た企業の価値は競合よりもずっと高いものになります。そうすれば少々価格が高くてもユーザーは自身の企業の商品やサービスを選んでくれるため、収益基盤は安定しやすくなります。

また、ブランディングによって企業の知名度が上がれば優秀な人材が集まりやすくなり、企業の競争力がより強まることが期待できます。

2.多くの企業が陥っている誤ったブランディング方法

先の章で述べたことによって、ブランディングの重要性を明確にご理解いただけたと思います。しかし実際は、ブランディングの意味自体をよく理解しておらず、誤ったブランディングをしている企業が非常に多くあります。

同じような事態に陥ることを避けるために、以下に挙げるよくある誤ったブランディング方法を知っておきましょう。

2-1.マーケティングと混同している

非常に多くの企業が陥っている誤りが、ブランディングとマーケティングを混同していることです。この2つは全く違う意味と目的を持っているため、区別できていないと競合との差別化ができないどころか、結局曖昧なまま結果が出ずに終わるリスクがあります。

最初から間違った方向に走ってしまうと修正するのは非常に困難なので、ブランディングとマーケティングの違いをしっかり理解しておきましょう。

2-1-1.ブランディングとは

ブランディングは経営戦略に近いものであり、マーケティングよりも上流の戦略に位置しています。商品やサービス、企業自体が持つ価値を具体的にして、どういった価値をユーザーに提供できるのかを明確にするのがブランディングです。

また、ブランディングには実利的な価値だけでなく、感情や体験を通してユーザーの心に働きかけ、「この企業の商品(またはサービス)を優先して使いたい」と思ってもらうという大きな目的があります。

ブランディングによって商品やサービス、企業がユーザーに提供できる価値をどれだけ明確にできるかが、マーケティングの質と成否に大きく影響します。

2-1-2.マーケティングとは

マーケティングはブランディングによって明確にした価値をもとに、市場の優位性や売り上げアップなどを勝ち取るために戦略や戦術を立てて実行していきます。

具体的にはブランディングの際に洗い出したユーザーのニーズをもとにして、開発や販売、販促や販売経路などを行う効果的な経路を見つけ出し、多くのユーザーに商品やサービスを手に取ってもらうための戦略を練って実行に移します。

このように、ブランディングはマーケティングの基礎になるものであり、ブランディングが確立していなければマーケティングはあまり意味のないものになってしまう関係にあります。

2-2.デザインが良ければブランディングになると考えている

デザインを良くすればブランディングができるというのは、誤った方法の典型です。この間違いは大手企業ほど陥りやすい傾向があり、資金力を武器に腕の良いデザイナーを雇って見た目の良いパッケージを作り、有名タレントをCMに起用して広告を出すことに力を入れがちです。確かにこの方法で企業イメージがアップすることや、注目は集めやすいかもしれません。

しかし、見た目を良くするデザインはあくまでもビジュアルを伝える手段でブランディングにはならないため、「○○というメリットがあるからこの商品を使いたい」と思ってくれる顧客の獲得は難しく、継続的な利益を生むまでに至らないことが大半です。

それどころか見た目だけが良くて中身が伴っていないと、ユーザーからの不評を買ってブランド価値を下げる可能性があります。

先ほども述べた通り、ブランディングとはその商品が持つ他にはない価値を明確にし、ユーザーに対してどのように役に立つのかを伝えるものであることを忘れてはいけません。

2-3.ブランディングとは「お客さんの心が伴った」差別化

ブランディングは価格やデザインなど見た目で分かる部分の差別化ではなく、「この企業の商品だから買う」という心が伴った差別化を図るものです。

物が溢れている時代だからこそ、「こんな商品が欲しかった」や「この商品のおかげで助かった」など心を満たしてくれる商品やサービスは、ユーザーにとって大きな価値のあるものになります。だからこそ、競合と比較されても負けない強さを手に入れることができるのです。

3.企業価値を高めるブランディングの方法

ここからはいよいよ企業価値を高めるブランディングの方法を、サザコーヒーを例に挙げながら解説していきます。

サザコーヒーは茨城県ひたちなか市に本店がある喫茶店で、個人経営からスタートして今では東京にまで進出を果たしており、地元ではスターバックスやドトールなどの大手を超えるほどのブランド力を持つまでに成長しています。

3-1.ブランディングの意味を共有する

早速ブランディングのためのコンセプトを作りたいところですが、最初にチームや企業内でブランディングの意味をしっかりと共有しておきましょう。この時に、ブランディングとマーケティングの違いも共有しておくことを推奨します。そうすることでマーケティングとの混同やブランディングの意味のはき違え、迷走を防ぐことが可能になります。

3-2.ブランドコンセプトを作る

ブランドコンセプトを作るためには、ブランドの方向性を決める鍵となる世界観を明確にする必要があります。これは言い換えれば、「何を究極の価値とするのか」という定義ともいえます。

例えば、サザコーヒーは「フレンチコーヒーやアメリカンコーヒーという言葉があるように、ジャパンコーヒーとして極めていく」という明確なコンセプトがあります。このコンセプトを追求した結果、サザコーヒーは「香りや味がダントツに違う」という評価を得ています。

サザコーヒーの例から分かるように、ブランドコンセプトは多くの競合と比較して一目で分かるほどの違いを生むと同時に、企業がブレずに成長していくための道しるべとなります。

従って、ブランドコンセプトを作る際は次に解説する方向性の決定と合わせて、時間をかけてじっくり練るようにしましょう。

3-3.ブランドが目指す方向性を定める

ブランディングは「何をブランドの価値とするのか」というゴールが設定されていないと迷走してしまいます。最悪の場合、結局ブランドとしての強みを何も打ち出せずに競合に負け、その他大勢に飲み込まれるケースも少なくありません。

従ってブランドコンセプトを作る際には、最低でも以下の3つの方向性は決めなければいけません。

①どんな人に

②どのような商品やサービスを提供して

③どのようなメリットを感じてもらうのか

以上の3つの方向性が即座に浮かぶでしょうか?もし浮かぶなら、ブランドコンセプトの作成はそこまで難しくないでしょう。しかし、もし即座に3つの方向性が浮かばなければ、業界の現状をリサーチすることから始めると良いでしょう。市場にはどのようなプレイヤーがいて、どのような商品やサービスがあり、どの様な人がターゲットとなっているのかを突き詰めていけば、ターゲットが感じている「物足りなさ」やもっとこうして欲しいという「要望」が見えてくるはずです。

この見えてきたターゲットのニーズを自身の企業の理念に結びつけると、かなり良いブランドコンセプトが作れることが期待できます。

3-4.キャッチコピーを出す

ブランドコンセプトが作成できたら、次にすることはブランドコンセプトを一言で表現するキャッチコピーを出すことです。この時に、キャッチコピーを補足説明するサブコピーも出しておくと良いでしょう。

この時に注意すべきこととして、キャッチコピーというと格好良くすることに意識が集中しがちですが、それよりも先にするべきことは、とにかくキーワードを洗い出すことです。

たとえ響きが良くても、ユーザーのニーズとズレていては意味がありません。

キーワードを洗い出したら、使うかどうかは別としてアイディアレベルで良いので、できる限り多くのキャッチコピーを出してみましょう。一人が担当して行うよりも、3人から5人の複数人で一気に出した方が多くのアイディアが出るので推奨します。

そうやってキーワードを厳選したり組み合わせることを繰り返し、ブランドコンセプトを集客したキャッチコピーを作り出しましょう。

3-5.ブランディングを体現する

ブランディングは言葉やコンセプトだけでなく、ユーザーの目に見える形で体現する必要があります。例えば業界や商品に関する賞を受賞することや、サザコーヒーのようにこだわりの自社農園を持つことなどが挙げられます。

ブランドコンセプトの体現を追求する姿勢はユーザーの心を掴む有効な手段なので、その姿勢を公式サイトやSNSなどで発信すれば、差別化に大きく貢献するでしょう。

3-6.ブランドコンセプトを発信する

今の時代は情報が溢れているので、ユーザーに見つけてもらうのではなく自分から発信していかなければなりません。そのための方法としてホームページやSNSを駆使することは、企業規模にかかわらず当たり前のようにやらなければならないことです。

また、ブランドコンセプトが多くの人に浸透するにはただ情報を発信するのではなく、「信用」を作っていくことも非常に重要です。サザコーヒーの場合はユーザーに「信用」してもらうために地域イベントなどに積極的に参加し、サザコーヒーを無料で提供していました。それは今でも続けており、その地道な活動がサザコーヒーの名前を多くに人に覚えてもらうとともに、「他のコーヒーとは一味違う」という信用を作り上げているのです。

ただ、商品やサービスによっては無料提供が難しいケースもあるでしょう。そういった場合でも焦る必要はありません。最も大事なのは無料提供ではなく「信用」を得ることです。

そのためには、とにかく人の役に立つことを大切にすることです。

ユーザーからのお問合せやトラブルに丁寧に対応することや、購入してくれた人に対してメールや受注でのやり取りで感謝の気持ちを伝えるなど、方法はいくらでもあります。

以上のようにブランドコンセプトを発信するとともに信用も作り上げていけば、競合と比較されずに選ばれる強い立場を手に入れることが可能になります。

3-7.ビジュアルでブランド価値を伝える

ビジュアルだけでブランディングをすることはできませんが、ブランド価値を伝える手段としてビジュアルは重要です。

例えば清潔感を謳っているのに商品自体が黒色であったり、包装の色に黒の割合が多いと、清潔感を伝えることはできません。人は視覚からの情報にかなり影響されるので、視覚的にブランドコンセプトが分かりやすいとブランディングは早く進む傾向があります。

このことから、作成したブランドコンセプトをもとに商品を見直してみて、必要であればデザインを考え直すことも有効です。

4.まとめ

ブランディングは企業名やデザイン性だけでできるものではありません。そのため、ブランディングとは何かを知っているのと知らないのとでは、雲泥の差が生じます。しかし、多くの企業はブランディングとは何かをよく理解しておらず、的外れなことをして期待したほど結果が出ないケースは後を絶ちません。

 

この記事をお読みいただいている方は間違った方向にいかないために、ブランディングの意味をしっかり理解して、効果的なブランディングの方法を学んで実践してください。

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