中小企業こそブランディング戦略で勝負するべき理由と超簡単3ステップ

ブランディング戦略という言葉は、すでにビジネスの世界にあふれています。ブランディング戦略に成功すると多大なメリットがあることは多くの経営者がすでに認識していることと思いますが、具体的にそれを実践、なおかつ成功させている企業がどれだけあるのかというと、かなり限られてしまうでしょう。

とてもメリットが多いことは分かっているのに、なぜ始めるとなるとハードルの高さを感じてしまうのか?もしくは、実際に取り組んだとしも、まぜうまくいかないのか?これはブランディング戦略に関する普遍的な疑問だと思います。

当記事ではブランディング戦略が持つ真のメリットを理解していただき、そこから導き出されるブランディング戦略の進め方、そして実際に成功している事例を交えつつブランディング戦略に取り組むために知っておくべき知識をまとめました。

1.中小企業こそブランディング戦略で戦うべき理由

特定の商品のプロモーションだけでなく、企業全体の命運も握ると言われているブランディング戦略。中小企業こそブランディング戦略を大いに活用するべき理由を、5つにまとめました。

1-1.競合、同種の商品やサービスと差別化できる

ブランディング戦略が成功し、一定のブランド価値を確立すると同業他社や製品との差別化が達成されます。これはとても大きなことで、例えば店頭で同じような製品が並べられている時に消費者が高い確率で選んでもらえるようになれば、それは売り上げに多大な効果をもたらすでしょう。では、消費者はその最後の選択で何を判断材料としているのかというと、そこにはブランド価値が大きな役割を果たしています。

「〇〇の製品だし、使い勝手が良さそうだ」

「〇〇の製品を持っていると、洗練された自分になれそうだ」

「〇〇の製品を使っていると、楽しい気分になれそうだ」

…といったような感覚で購入する製品を選んだことはないでしょうか?

これらはすべて「~そうだ」という漠然としたイメージに過ぎないのですが、消費者とってはそれが重要な判断材料になっています。これこそがブランド価値であり、これを構築して育てていくのがブランディング戦略です。

中小企業が大手企業と戦っていくには、スケールメリット以外のところで勝負する必要があります。そこで最も強い威力を発揮するのがブランド価値です。ブランド力に企業規模は関係がないので、逆に小さな会社ほど知る人ぞ知るブランド価値を持つことができるかもしれません。

1-2.価格競争に巻き込まれることなく売り上げを確保できる

先ほど同じような製品を比較検討している場面を例に解説をしましたが、どれも同じようにしか見えないのであれば、多くの人は価格の安いものを購入しようとします。この価格競争に巻き込まれると体力のない中小企業は大企業に太刀打ちができないので、絶対にこうした競争に巻き込まれるわけにはいきません。

ブランディング戦略が成功していれば、決して価格競争力はなくても特定のファンがその製品を手に取ってくれるため、大企業と互角な勝負ができるのです

1-3.自社への信頼感が向上し、新商品を売り出しやすくなる

ブランディング戦略はお金を掛けなくても取り組めるのが大きなメリットですが、ひとたびブランディングに成功すると製品だけでなく企業そのものへの信頼感が向上するため、今後新たな製品やサービスを展開する場合であっても「〇〇の製品なら良いものに違いない」というイメージが定着しているため、新たなビジネスを展開しやすくなります。

莫大な広告宣伝費を掛けてもブランディングに成功するとは限らず、むしろ最初にブランディングに成功してしまえば、あとから売り出す新商品にはほとんど広告宣伝費を使う必要がなくなります。

1-4.知名度が向上する

ブランディング戦略の成功は、知名度の向上をもたらします。知名度が向上することは無形のメリットですが、これが絶大なメリットをもたらします。

例えば、リクルート活動です。学生が就職先の企業を選ぶ際、最初に選択肢に入るのは「知っている企業」です。学生は社会人の経験がないので、なおさらその傾向は強くなるでしょう。優秀な人材を集めるために多大な費用を投じている企業が多いことを考えると、ブランディング戦略の成功によってリクルート活動をしやすいのは、実はとても大きなメリットです。

その他にも、アライアンス展開への可能性があります。知名度の高い企業には集客力があるため、その集客力に魅力を感じた他社からコラボレーションの話が舞い込みやすくなります。典型的な例は、ユニクロの「ヒートテック」です。これは東レが持っていた技術によって生まれた商品で、ユニクロだけで開発したものではありません。ユニクロには高い知名度があるため、技術力を持った東レがオファーをしてきたことによって大ヒット商品になったわけです。

1-5.自社のアイデンティティを確立し、成長の道しるべになる

5つ目のメリットは、市場など外部に向けたものではなく、自社内に向けたものです。ブランディング戦略には自社のアイデンティティを確立することも含まれているため、これが達成されている企業の社員は、そのブランド価値を担っている1人になります。

アップルストアにいる店員の雰囲気は、どこか「アップルっぽい」とお感じの方は多いと思いますが、これはアップルによるブランディング戦略の一環です。洗練されたITツールを熟知して、「アップルのある生活」を提案する人であるという自意識も、アップルのブランドイメージをしっかりと醸成しています。

社員が統一感を持って自社のブランディング戦略に参加することで、企業としての成長への道しるべにもなるのです。

2.ブランディング戦略の基本をマスターしよう

それでは次に、ブランディング戦略の基本について解説していきます。ブランディングという言葉を使っていることで難しいイメージを持つ方もおられると思いますが、決して難しいものではありません。

2-1.そもそも、ブランドとは何か

ブランディング戦略によって手に入れたいのは、ブランド価値です。そのためには、そもそもこの「ブランド」とは何なのかを知っておく必要があります。

ブランドについてはさまざまな定義がありますが、信頼感や上質感、選ばれるべき理由などを含んだイメージ全体の価値を指します。これを専門用語では「上位戦略」といいます。つまり、ブランディング戦略とは競合など同種の製品やサービスに対していかに「上位」に立つことができるかという「戦略」なのです。

コーヒーを飲むのであればコンビニのコーヒーが最近ずいぶん良くなっているので、それを選ぶ人が増えていますが、それでもなおその数倍の価格設定であるスターバックスが常に繁盛しているところには、「スタバでコーヒーを飲む」という行動自体に上位的な価値があるからです。

このように差別化された価値がブランド価値、ブランド力です。それを手に入れるための戦略が、ブランディング戦略です。

2-2.ブランディング戦略に必要なもの

ブランディング戦略に必要なものは、以下の3つです。これは最低限のものに絞っているように感じるかもしれませんが、どんなブランディング戦略でもこれだけです。

・世に出したい製品、サービスの強み

・その強みに魅力を感じる人たち

・ブランドそのものの思想、コンセプト

これらがブランディング戦略において核心的な部分です。ある商店街に、年配のお爺ちゃんが1人でやっている包丁研ぎのお店があります。このお店は常連客でいつも繁盛しているのですが、先ほどのブランディング戦略3点に当てはめると以下のようになります。

・お爺ちゃんの腕が良く、切れ味がとても良くなる

・お爺ちゃんに研いでもらった包丁で料理をすると喜び感じる人たちがいる

・お爺ちゃん自身が包丁や包丁を使う人に愛情をもって接している

いかがですか?おそらくこのご本人はブランディング戦略など全く意識していないと思いますが、この包丁研ぎ店にもしっかりとブランディングが確立しており、それが機能しているのです。おそらくこの包丁研ぎ店には多くのリピーターがいて、その噂を聞きつけた新規顧客も集まってくることでしょう。

2-3.ブランディング戦略と手法を混同しない

ブランディング戦略を構築する際によくあるのが、マーケティングや広告宣伝といった「手法」との混同です。マーケティングは自社が打ち出したい製品やサービスを必要としている人がどれだけいるのかという市場への理解であり、広告宣伝は確立したいブランドイメージを知ってもらうための手段です。どちらも戦略ではなく、具体的な手法です。

ブランディング戦略は、こうした手法も含めた全体の道、グランドデザインです。手段や手法にこだわりすぎると全体像を見失ってしまうので、注意してください。

3.ブランディング戦略の4ステップ

それでは最後に、ブランディング戦略を進めるための超シンプル4ステップを解説します。

3-1.自分たちの強みを認識する

まったく何も無いところからブランドを構築するのは非常に困難なので、その対象となる「強み」が必要です。今や世界的なブランドとなっている「エルメス」はもともと、馬具のメーカーでした。上質な革製品を世に送り出し、そこに洗練されたイメージを付加することでブランディングに成功し、今では革製品だけでなくアパレル製品においても高いブランド価値を獲得しています。

これなら選んでもらっても後悔させない、自信があると思える強みを1つ持つことからブランディング戦略が始まります。

3-2.誰に向けて発信するのかを決める

2つ目のステップは、その強みを誰に向けて発信するのかを決める作業です。誰ならその強みに魅力を感じてくれるのかを知り、その人たちがどんな要望を持っているかを研究することで、ブランドを訴求する相手が決まります。

ブランディング戦略において重要なのは、全方向的に発信するのではなく、特定の人たちだけに絞ることです。誰にでも受けるものに高いブランド価値はないので、価格競争に巻き込まれてしまう可能性大です。「ここに魅力を感じない人はそもそも顧客ではない」と言い切ってしまっても問題ありません。

3-3.ブランドのアイデンティティを確立する

そのブランドは何を目指すのか、何を実現したいのか、世の中に対して何を訴えたいのか。ブランディングには、こうした思想が必要です。フェラーリやポルシェは高出力エンジンが生み出すパワフルな走りが魅力で、その一方でトヨタのエコカーはいかに燃費を良くするかを目指したクルマです。この両者はどちらもクルマですが、目指していることは真逆です。それぞれに魅力を感じる人たちがいるので、その人たちに刺さる思想を持たせましょう。

3-4.とにかく拡散する

ブランディングに必要な3つの要素が決まったら、あとはそれを多くの人に知ってもらう工程です。ここでようやく、広告宣伝など手法の出番となりますが、本当に価値のあるブランディング戦略ではそれほど多くの広告宣伝を必要としません。

その証拠に、スターバックスコーヒーは高いブランド価値を持たせるためにテレビCMなどは一切しませんでした。「最近スターバックスというカッコいいカフェがある」というイメージを多くの人に植え付け、興味を持ってもらうことから始まったブランディング戦略は、まさに中小企業が取り組むべき方法論のお手本のようなものです。

4.まとめ

中小企業こそブランディング戦略に取り組むべき、という考えのもとにその基本やメリット、具体的な進め方まで解説してきました。これらは全く難しいものではなく、もしかするとすでに御社の中にあるものかもしれません。本当に良いもの、支持されるものはおのずと知れる時代でもあるので、まずは絶対的な強みを持つ価値を確立することから始めてみてください。

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