ブランディング、マーケティング、PRの違い、説明できますか?

日本の多くの市場は成熟していて非常に競合が多いことに加えて、海外の企業とも競わなければなりません。このように競合がひしめき合う状況の中で、企業価値を高めて似たような商品やサービスとの差別化を図るために、ブランディングやマーケティング、PRに力を入れようと意気込む企業は多々あります。

ただ、そこまでは良いのですが、いざ実践となるとブランディングやマーケティング、PRの違いが分からず、何をすれば良いのか分からないといった声もよく聞かれます。

そのせいでそれぞれの担当者の意志疎通がうまくできず、結局企画倒れ、もしくはやってみても成果が思わしくないケースが後を絶ちません。

あなたの企業がブランディングやマーケティング、PRに失敗している競合と同じような道を辿らないように、それぞれの意味の違いと役割をしっかりと学んでいきましょう。

1.「ブランディング」「マーケティング」「PR」の違いとは

「ブランディング」と「マーケティング」と「PR」はどれもユーザーにアプローチする手段であるため、意味を混同しがちです。そのせいで、全ての役割を1人の担当者や一部の部署が担うケースが多々あります。

しかし、これら3つの役割全てをプロフェッショナルにできる人材は非常に希少であるうえに、一部に全てを任せるのはあまりにも負担が大きいため、うまく機能していないケースが大半です。

これはブランディングなどに失敗している企業の典型例であるため、最初にそれぞれの違いをしっかり知っておくことが非常に重要です。

1-1.ブランディングとは

ブランディングとは、ユーザーが抱く企業イメージを良くして企業価値を高めることです。

ここでいう企業価値とは価格や販売数などといった数字で表せるものではなく、ユーザーの心に蓄積される目に見えない価値です。

例えばiPhoneの新しいバージョンが出るとつい買い替えてしまうといったことや、柔軟剤を買う時に他の商品が目に入っても、結局はいつもの商品を買ってしまうなどといったことが挙げられます。

このように「この企業の商品だから買いたい」という心理的な価値を上げて、競合との差別化を明確にして唯一無二の地位を獲得することがブランディングの主な目的になります。

1-2.マーケティングとは

マーケティングはMarket(市場)という単語が由来となっている言葉であり、「市場を創る」や「市場を開拓する」などといった意味があります。端的にいうと、商品やサービスが売れる仕組みを作るということです。

売れる仕組みを作るためには自社の商品やサービスをしっかりと認知してもらうことが欠かせないため、誰に対して情報を発信し、どうやって売れる市場を整えていけばよいか考えていかなければなりません。

マーケティングによる市場分析や顧客分析によって、新たな市場の開拓や隙間市場への参入に成功すれば、それらの市場を席巻することも可能になります。

1-3.PRとは

PRとは、自社の商品やサービスを手に取ってもらうためにユーザーに働きかけることを指します。

PRと聞くと「ただ広告を出せば良い」と思われがちですが、実際はそうではありません。商品やサービスのメリットを一方的に打ち出すのではなく、サンプルの使用や口コミなどを通した「第三者目線」を作る必要があります。なぜならば、本人に直接「これは良い商品ですよ」といわれるよりも、複数の第三者が「買ってみたらこれは良い商品でしたよ」と客観的な目線で伝えた方が魅力的で、手に取ってもらいやすくなるからです。

以上のことからPRには、あらゆる手段を使ってより多くの人に商品やサービスの良さを伝えていくことが求められます。

2.「ブランディング」「マーケティング」「PR」の役割

「ブランディング」と「マーケティング」と「PR」はそれぞれが独立して動くのではなく、全てを組み合わせて差別化という目的を果たしていく必要があります。

そのためには、それぞれが担っている役割をよく理解しておくことが不可欠です。

2-1.ブランディングの役割

ブランディングはマーケティングやPRより上位の工程にあたるため、ブランディングの質がマーケティングやPRの質を大きく左右するうえに、ブランディング次第でその後の工程が変わるので、土台作りはしっかりしておきましょう。

そのためにも、マーケティングやPRと何が違うのか、最初に徹底的に周知しておくことも必要です。

また、ブランディングをするには自社の商品が競合に比べてどのような価値を持っており、「ユーザーに対してどのようなメリットを与えられるのか」を明確にすることが必須です。

単にデザインや色味を良くするのではなく、「ユーザーが日頃感じている不満や希望をどのように解決できるのか」を重点的に考え抜くことが求められます。

ブランディングでは見た目や価格などといった目に見える価値ではなく、「普段の生活でこの企業の商品を使いたい」という心理的価値を高めることに注力しましょう。

2-2.マーケティングの役割

マーケティングは差別化という目的のために人の心を掴まなければならないため、時代の流れをよくみてどのような市場に需要があり、どのような手法をとれば有効か考える必要があります。

例えば、従来のマーケティングは商品やサービスのメリットを幅広いターゲット層に一方的に発信することが一般的でした。しかし、市場が成熟してモノが溢れるようになったことと、モノの価値を判断する時に口コミや実体験がより重視されるようになったことから、経験価値マーケティングが行われる機会が増えていきました。

経験価値マーケティングとはオフラインの空間でユーザーとコミュニケーションをとることを重視したマーケティングで、VR体験をしてもらう場を設けることや、空きスペースやレンタルスペースなどに期間限定で出店するポップアップストアなどがあります。

しかし、新型コロナウイルスの流行により、オフライン空間での経験価値マーケティングを行うことは難しくなってしまいました。

それでも経験価値の重要性は変わっておらず、ユーザーに会場に来てもらうというマーケティングスタイルから、家で楽しんでもらうというマーケティングスタイルに転向して大成功を収めた例もあります。

その代表例として、和菓子屋の「亀屋良長」が挙げられます。和菓子や手土産や贈答品としての需要層が厚かったため、新型コロナウイルスの流行で人と接触する機会が激減し、和菓子屋の売上は大きく落ち込むことになりました。

それは「亀屋良長」も例外ではありませんでしたが、この企業は不要不急の外出を控えることをうまく利用し、「家であんこづくりを楽しめる手作りあんこセット」を売り出しました。

これが大当たりして、コロナウイルスの流行前よりも利益を伸ばす結果につながりました。

以上のことから分かるのは、商品やサービスを手に取ってもらえるかどうかはマーケティングの工夫次第であり、「ユーザーは今何を求めているのか」という視点から市場分析などを行うことで不利も有利に変える役割を持っているということです。

2-3.PRの役割 

PRは一昔前までは広告さえ出していれば良かったのですが、インターネットが発達してSNSが登場したことにより事情が一変しました。企業から一方的にメリットを伝えるだけの広告はスルーされるようになり、実体験がこもった口コミが影響力を持つようになってきました。しかも、それが商品やサービスを買うか買わないかの判断基準となっています。

だからといって、広告を出す必要がないというわけではありません。モノや情報が溢れている現代では、とにかく情報を積極的に発信して知ってもらわなければいけないため、ファーストインパクトを与えるという意味でも広告は必要です。

PRで大事なのはマーケティングと密に連携し、面白いと思ってもらえる打ち出しと広告を同時に行って認知を広げていくことです。

その1つの手法としてTwitterやInstagramを使用する方法があります。ただ、SNSといえばインフルエンサーと思いがちですが、フォロワーが多いだけで実は影響力がないアカウントも少なくありません。

そのため、お金を払ってインフルエンサーに商品を紹介してもらうよりも、本当に商品やサービスを使ってくれたユーザーによる血が通った感想を大切にして、本当の差別化につなげてください。

3.個別に動くのではなく「連携して動く」ことがキーポイント

ブランディングが迷子になっていると、ブランディングを軸にして行うマーケティングやPRが明後日の方向に向かってしまい、差別化どころではなくなってしまいます。また、マーケティングとPRが密に連携をとれていないと、やはりユーザーに商品やサービスの魅力を伝えることが難しくなってしまいます。

本当に自社を差別化させて価格競争から抜け出したいなら、ブランディングとマーケティングとPRの3つの柱の連携を密にして、協力し合いながら動くことがキーポイントとなります。

4.まとめ

ブランディングとマーケティング、PRの意味と役割を混同していると、軸がブレてうまく機能しなくなってしまいます。だからといって全く別々に行動すると、やはりうまく機能せず、思うように差別化できない結果に陥る可能性があります。

企業価値を高めて多くの競合の中から選ばれるようになるためには、それぞれの意味と役割をしっかりと理解したうえで、それぞれの担当者が密に情報交換をして連携することを意識してください。そうやってそれぞれの力を集約して初めて、ブランディングによる差別化が成功するといっても過言ではありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です