中小企業向け新型コロナ対策の支援制度や補助金など資金繰り対策まとめ

2020年2月頃から日本国内で影響が深刻化し、3月からは欧米諸国などで感染拡大が重大な影響を及ぼしている新型コロナウイルス。各国が出入国を制限し、外出を禁止するなど経済活動への影響も深刻さを増しています。

日本国内でも特に中小企業への影響が懸念されており、国も大規模な対策に乗り出し始めています。特に中小企業などの事業者にとっては、資金繰りという目先の問題が横たわります。

当記事では新型コロナウイルスによる悪影響を懸念されている中小企業経営者の方々に向けて、国の支援制度や補助金など、資金繰りに役立つ情報をお届けします。

1新型コロナウイルス関連の中小企業支援策まとめ

新型コロナウイルス対策のうち、当面の資金繰りなど緊急性のたかいものについて8つの中小企業支援策をご紹介します。

1-1.信用保証

新型コロナウイルスに関連する中小企業支援策で最もよく知られているのが、信用保証枠を拡大する「セーフティネット保証4号・5号」と「危機関連保証」です。以下の条件に該当する中小企業事業者は信用保証協会から、4号であれば100%の保証、5号であれば80%の保証が受けられます。

【セーフティネット保証4号の概要】

  • 前年同月と比べて20%以上の売上減少が対象
  • 一般枠の信用保証に加えて最大2億8,000万円
  • 借入債務の100%を保証

【セーフティネット保証5号の概要】

  • 前年同月と比べて5%以上の売上減少が対象
  • 特に重大な影響が出ている業種が対象
  • 一般枠の信用保証に加えて最大2億8,000万円
  • 借入債務の80%を保証

【危機関連保証の概要】

  • 前年同月と比べて15%の売上減少が対象
  • 全国、全業種の事業者が対象
  • 一般枠とセーフティネット保証に加えて最大2億8,000万円

問い合わせ窓口は、以下の通りです。

新型コロナウイルス感染症関連

信用保証協会

1-2.新型コロナウイルス感染症特別貸付

日本政策金融公庫では、新型コロナウイルス対策として無利子、無担保の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を実施しています。

【新型コロナウイルス感染症特別貸付の概要】

  • 前年同月と比べて5%以上の売上減少が対象
  • 資金用途は運転資金と設備資金
  • 貸付期間は運転資金が15年以内、設備資金が20年以内
  • 融資上限は中小事業が3億円、国民事業が6,000万円

問い合わせ窓口は、以下の通りです。

1-3.商工中金による危機対応融資

商工組合中央金庫(商工中金)においても、新型コロナウイルスによる悪影響を受けている事業者に対して危機対応融資の支援制度を設けています。

【商工中金による危機対応融資の概要】

  • 前年同月と比べて5%以上の売上減少が対象
  • 資金用途は運転資金と設備資金
  • 当初3年間の金利がマイナス0.9%になる(4年目以降は基準金利)
  • 無担保
  • 融資限度額は3億円

問い合わせ窓口は、以下の通りです。

  • 商工中金相談窓口
    0120-542-711

1-4.特別利子補給制度

新型コロナウイルス対策の融資を利用した中小事業者に向けて、売上が急減した場合に利子の補給を受けられる制度です。

【特別利子補給制度の概要】

  • 新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)もしくは危機対応融資(商工中金)を利用した借り入れをした中小企業が対象
  • 個人事業主は売上による要件なし
  • 法人の小規模事業者は前年同月と比べて15%以上の売上減少が対象
  • 中小企業は前年同月と比べて20%以上の売上減少が対象
  • 借り入れ当初3年間の利子が対象

問い合わせ窓口は、以下の通りです。

  • 中小企業金融相談窓口
    03-3501-1544

1-5.新型コロナウイルス対策マル経

商工会議所や商工会、都道府県商工会連合会などの経営指導を受けた小規模事業者が無担保、無保証人で利用できるマル経融資において、新型コロナウイルスの影響を受けている小規模事業者に向けた低利貸付制度があります。

【新型コロナウイルス対策マル経の概要】

  • 前年または前々年の同期と比較して5%以上の売上減少が対象
  • 資金用途は運転資金と設備資金
  • 融資限度額は1,000万円
  • 「経営改善利率」から当初3年間0.9%引き下げられる

問い合わせ窓口は、以下の通りです。

1-6.セーフティネット貸付

新型コロナウイルスの影響などで一時的に売り上げが急減してしまった事業者の中で、中期的には売り上げの回復が見込まれる場合にはセーフティネット貸付の要件緩和措置が受けられます。

【セーフティネット貸付要件緩和(新型コロナウイルスの影響を踏まえた特例措置)の概要】

  • 5%以上の売上減少という要件にかかわらず受付
  • 融資限度額は中小企業が7億2,000万円、国民事業が4,800万円
  • 資金用途は運転資金と設備資金
  • 据え置き期間は3年
  • 貸付期間は運転資金が8年以内、設備資金は15年以内

問い合わせ窓口は、以下の通りです。

・日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫

0120-154-505(平日)

0120-112-476(土日祝日)

0120-327-790(土日祝日)

098-941-1785(沖縄、平日土日祝日共通)

1-7.衛生環境新型コロナウイルス感染症特別貸付

新型コロナウイルスによる影響を受けている生活衛生関係の事業者向けに、特別の融資制度があります。なお、生活衛生関係とは飲食店や食肉販売、理容、美容、公衆浴場、宿泊施設、興行などの業種のことです。いずれも新型コロナウイルスによる影響を受けやすい業界と言えます。

【生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付の概要】

  • 前年同月と比べて5%以上の売上減少が対象
  • 融資限度額は6,000万円
  • 当初3年間は基準金利から0.9%引き下げられる
  • 資金用途は運転資金と設備資金
  • 貸付期間は運転資金が15年以内、設備資金は20年以内

なお、上記には金利の記載がありますが、「特別利子補給制度」を利用することにより実質的に無利子となります。

問い合わせ窓口は、以下の通りです。

・日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫

0120-154-505(平日)

0120-112-476(土日祝日)

0120-327-790(土日祝日)

098-941-1830(沖縄、平日土日祝日共通)

1-8.雇用調整助成金の特例措置

新型コロナウイルスによる影響も含め、事業活動を縮小せざるを得なかった事業主の中で従業員の一時的な休業や教育訓練、出向などによって雇用を維持した事業主に対して、人件費の一部補助が受けられる措置です。

【雇用調整助成金の特例措置の概要】

  • 新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主が対象
  • 助成率は中小企業が3分の2、大企業が2分の1
  • 支給限度日数は1年間で100日まで

問い合わせ窓口は、以下の通りです。

雇用関係助成金に関する主なお問い合わせ先一覧

2.今後のために活用したい支援策まとめ

資金繰りなど喫緊の問題に対する支援制度に次には、新型コロナウイルスによる影響を踏まえて今後に向けて取り組んでおきたい対策への補助金、支援策をまとめました。

2-1.IT導入補助

人が通勤電車に乗り、オフィスに集まることで感染拡大が懸念される中、自宅勤務やテレワークへの注目度が高くなっています。こうした働き方の導入に対する支援制度があります。

【IT導入補助の概要】

  • 中小企業、小規模事業者などが対象
  • 補助額は30万円から450万円まで
  • 補助率は2分の1
  • 主な補助対象はテレワークツールや業務効率化、在宅勤務の導入などに要する費用

問い合わせ先は、以下の通りです。

2-2.ものづくり、商業、サービス補助

製品開発や生産プロセス改善などに要する設備投資費用などに対して受けられる補助金制度です。新型コロナウイルスによってサプライチェーンに悪影響が出ている事業者などが対象です。

【ものづくり・商業・サービス補助の概要】

  • 新型コロナウイルスによって部品調達などが困難になり、内製化を進める事業者などが対象
  • 補助の上限は1,000万円
  • 補助率は中小企業が2分の1、小規模事業者が2分の1

問い合わせ先は、以下の通りです。

全国中小企業団体中央会

2-3.持続化補助

インバウンド需要の減少などによって販路が少なくなってしまった小売店や宿泊施設などに対して、販路拡大を支援する制度です。

【持続化補助の概要】

  • 小規模事業者(主に小売店、宿泊業界など)が対象
  • 補助額の上限は50万円
  • 補助率は3分の2
  • 資金用途はインターネット販売への進出、自動受付機など省人化に資する費用など

問い合わせ先は、以下の通りです。

3.新型コロナウイルスによる悪影響を最低限に食い止めるために

すでに多くの方々がお感じのように、新型コロナウイルスの感染拡大によって多くの業種で経済的な悪影響が顕在化しています。誰もが全く影響を受けないということが現実的ではない以上、いかに悪影響を最小限に食い止めるかが課題となります。

最後に、新型コロナウイルスによる悪影響を最小限に食い止めるために留意しておきたいことを3段階にまとめました。

3-1.(第1段階)経営環境を守る

第1段階の初動でするべきことは、何といっても経営環境を守ることです。急激な経済活動の停滞によって売り上げの減少や資金繰りの悪化は避けられないため、国の制度やつなぎ融資などを活用して、まずは「生き残ること」に専念するフェイズです。

また企業にとって人材は重要な経営資源なので、一時的な資金繰りの悪化だけを理由に解雇してしまうことのないよう、一時休業や自宅待機などを含めて雇用の維持に努めたいところです。

3-2.(第2段階)リスクに強い組織、働き方を構築

この記事を作成しているのは2020年3月なので、社会環境はまだ第1段階のフェイズにあります。新型コロナウイルスの感染拡大は永久のものではなく、必ず終わりがあります。このウイルス騒動が収束に向かう段階になったら、次に留意したいのはリスクに強い組織、働き方の構築です。

感染対策を契機にテレワークや時差出勤などに取り組んだのであれば、それを恒久的な仕組みとして導入すると、以後はリスクに強い働き方が実現します。そのための補助金制度などもご紹介していますので、「ピンチをチャンスに変える」の精神でリスクに強い組織、働き方を手に入れてください。

3-3.(第3段階)販路の多様化など激変に強い経営環境を構築

第3段階として取り組みたいのは、リスクの分散です。投資の世界には「卵を一つのかごに盛るな」という格言があります。特定の投資商品にばかり集中投資をしてしまうと、その商品に激変が起きてしまった時には全財産を失ってしまうほどのリスクがあるので、それを回避するために複数の投資商品に分散しておくべきという考え方です。

企業経営にも、これと同じことが言えます。事業の多角化や取引先の多様化、さらにネット進出なども含めた販路の多様化も有効です。新型コロナウイルスの感染拡大が人類共通の大きな災難であることに疑いはありませんが、それをいかにチャンスに変えられるかによって「コロナ後」の成長が描けるのではないでしょうか。

4.まとめ

2020年3月現在は、今なお新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、収束の目途を見出せていません。このような経営環境を踏まえ、当記事では資金繰りなど喫緊の問題を解決するための各種支援制度をご紹介しました。資金繰りは時間との戦いでもあるので、これらの情報を参考に迅速な行動をおすすめします。

また、その次の段階にやってくる「コロナ後」に備えるための第2段階、第3段階の対策についても解説しましたので、事業の継続性を守るためにもぜひ参考にしてください。

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