事業承継の成功と経営の安定化に必須!持ち株比率を高める3つの行動

企業を運営していくのは経営者ですが、企業の支配権は持ち株比率で大きく変わります。事業を引き継ぐ経営者は舵取りをしっかりと行って生き残るために、高い持ち株比率を保有することが欠かせません。

以上のことを踏まえて、安定的な事業経営に必要な持ち株比率と、持ち株比率を高める方法を具体的に解説していきます。

1.事業承継を成功させるために必要な持ち株比率は何%なのか

事業承継を成功させる鍵は、経営者自身が大きな支配権を持つことです。そのために必要な持ち株比率は何%なのか、ケースごとに分類して解説していきます。

1-1.持ち株比率ごとに実行できる支配権

持ち株比率をめぐる企業の戦いは珍しくなく、代表例としてライブドアがニッポン放送の株を大量取得した株の争奪戦や、大塚家具の経営権をめぐる委任状争奪戦などがあります。

いずれも熾烈な戦いとなっていましたが、ここまでの事態となるのは実行できる支配権が持ち株比率によって異なるからです。

持ち株比率によって、企業を引っ張っていくパワーバランスが決まるといっても過言ではありません。事業を引き継ぐ場合はどこまでの支配権を持てるかが特に重要になるので、この機会にしっかりと確認しておきましょう。

1-1-1.3%以上保有のケース

持ち株比率が3%以上である場合は会社の帳簿や経営資料の閲覧、株主総会の招集が可能になります。支配権は認められていますが、支配できる権利は少なくなります。

1-1-2.33.4%(3分の1)以上保有のケース

持ち株比率が33.4%(3分の1)以上であれば、株主総会の特別決議を単独で否決することができます。

1-1-3.50%(2分の1)以上保有のケース

持ち株比率が50%(2分の1)以上であれば、役員報酬の変更や余剰金の配当などを決める株主総会の普通決議が実行できます。

1-1-4.66.7%(3分の2)以上保有のケース

持ち株比率が66.7%(3分の2)以上であれば、株主総会の特別決議が可能になります。この決議では取締役の解任や定款の変更、合併や解散など経営に関する重要な事項を決定できます。

つまりここまでの保有率であれば、企業運営に非常に重要になる支配権をほとんど掌握できるということになります。

1-1-5.100%保有のケース

代表取締役に就任し、尚且つ100%の持ち株比率を占めることができれば、会社経営に関する全ての決議を自分だけで実行できます。

1-2.スムーズな事業継承のためには9割以上の持ち株比率が理想

持ち株比率を100%にまで高めることはできなくても、特別支配株主の株式を取り扱う定款の変更など、75%(4分の3)以上の持ち株比率でないと行使できない支配権があることを考慮すると、9割以上の持ち株比率が理想です。

先ほど述べた支配権の範囲から、66.7%(3分の2)以上の比率であれば良いという意見もありますが、それ以上の比率を推奨することには理由があります。

2.9割以上の持ち株比率で回避できる事業承継のリスク

事業承継の場合は企業の立ち上げとは違ったリスクがあります。以下に挙げる事業継承でよくあるリスクは想像以上に厄介であり、これに立ち向かうには相当なエネルギーが必要になります。

しかし9割以上の持ち株比率であれば、これらのリスクを回避できる強さを持つことができます。

2-1.不安定な経営による企業衰退のリスク

持ち株比率が66.7%(3分の2)以上でないと、取締役の解任や定款の変更、合併や解散など経営に関する重要な事項を決定する権利が取得できません。

家族や親戚、友人や知人などに株式が分散してしまうと、経営の舵取りが複数人いる状態になってしまいます。

そうなると株主同士が対立した時に、意思決定の遅れから企業衰退のリスクが高まる恐れがあります。

2-2.代表取締役解任のリスク

経営能力が不十分であるために企業の業績が芳しくないのなら、株主総会で取締役の解任の決議がされてもやむを得ません。

しかし、株主同士の欲が絡んだ意図的な解任である場合は企業存続の危機に陥るうえに、社員が犠牲になる可能性が高くなってしまいます。

分かりやすい例が大塚家具のプロキシファイト(委任状争奪戦)です。大塚家具は創業者の会長と娘である社長の経営方針が大きく異なり、双方が株主総会で役員人事案を出して互いの退任を求めました。

この戦いは株主の賛成をより多く集めた方が経営権を握ることから、持ち株比率を高めるための熾烈な戦いが展開しました。

大塚家具のトップ交代劇は3度ほど繰り返されていますが、このお家騒動で振り回されたのは多くの従業員です。

プロキシファイトを繰り広げた後の企業の歩みをみれば分かる通り、経営陣の迷走と感情的な戦いは企業の衰退を加速させる可能性があり、そのようなものに社員を巻き込むことは本来あってはならないことです。

同じような道を歩まないようにするためにも、できる限り持ち株比率を高めて代表取締役解任のリスクを抑えなければなりません。

2-3.安定した経営には高い持ち株比率が不可欠

先に挙げた経営に関わる大きなリスクを回避するには、66.7%(3分の2)以上の持ち株比率が最低ラインであることがお分かりいただけると思います。

さらに、経営に関わる大きなリスクを回避しながらより安定した経営を行うためには、できる限り支配権を多く持つ方が有利です。

これは経営を前任者から引き継ぐ立場であればなおさらで、持ち株比率は66.7%(3分の2)以上であれば良いとはいわず、9割を目指したいところです。

3.持ち株比率を高めるために経営者がとるべき行動3選

持ち株比率は経営のしやすさだけでなく事業存続リスクにも直結するので、できる限り持ち株比率を高めるための行動をとるべきです。

以下にそのためにできる行動を挙げているので、ぜひ参考にしてください。

3-1.中長期的に利益を出していく

持ち株比率を高めるためには、自分自身の経営能力を認めてもらう必要があります。そのため、何を置いても中長期的に利益を出していくことが大前提となります。

業績は経営者や企業に対する信頼に直結するものであり、赤字は持ち株比率を下げる原因になるので、売上や社内体制など企業のあらゆる部分に気を配り、日々改善することを怠らないようにしましょう。

3-2.経営の透明性と公平性を示す

株主の信頼を得ることは株主同士の対立を避けるために非常に重要であり、そのためには日頃から経営の透明性と公平性を示すことが欠かせません。

具体的には、業績の開示や経営方針の説明などをして安心感を与えるといったことや、利益配当を行うことなどが有効だと考えられます。

3-3.株式が分散して事業運営に支障が出る場合の手段

事業承継をスムーズに行うには、経営の支配権を十分に握っておく必要があります。しかし、場合によっては株式が分散して事業運営に支障が出るケースもあります。

そういった時にできる対策として、以下の3つの手段が挙げられます。

もし、株式が分散して経営に不利な状態にあると考えられる場合は、これらの手段の実行を検討してみてください。

3-3-1.株主から株式を買い集める

株式が分散しているせいで事業の運営がスムーズにいかないなら、分散している株式を株主から買い集める手段が考えられます。

ただし、この方法を実行するには株式を買い集めるための十分な資金が必要になります。また、企業の株価が高いといったことや売上が好調である場合は、株式の売却を断られる可能性もあります。

3-3-2.相続人から株式を買い集める

株式に関する遺言が特にないなどといった理由から株式が分散してしまった場合は、その分を相続人から買い集める方法があります。相続人にとって株式を保有する積極的な理由がなければ、有効になり得る方法です。

ただし、この場合も株主から株式を買い集める方法と同様に十分な資金力が必要であり、売却を断られる可能性があります。

3-3-3.拒否権ありの黄金株を所有する

株主や相続人から株式を買い取ることが難しい場合は、拒否権ありの黄金株を所有する手段があります。黄金株とは会社の買収や合併など、企業運営に関わる重要な議案の否決(拒否)権を持つ株式を指します。

この手段を実行するには前任者の協力が必要ですが、黄金株を発行してもらって保有することができれば、企業運営の支配権をほぼ確実に握ることができます。

4.まとめ

スムーズな経営と継続的な企業成長のためには、実行できる支配権の範囲を決める持ち株比率が非常に重要な役割を果たします。

また、経営者が企業運営に関わる支配権をしっかりと握っておくことは企業の成長、持続だけでなく、従業員の人生にも大きく影響するため、持ち株比率を高めることを決して怠ってはいけません。

本記事で解説した持ち株比率を高める行動を役立てながら、企業の大黒柱としてどっしりと構えていただきたいと思います。

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