10分でできる超簡単な就業規則の作り方と押さえておくべき3つのポイント

就業規則の作り方でお悩みではありませんか?

新規に起業した方はもちろん、これまで事業を続けてきた中で社員が増えたことによって就業規則を整備する必要に迫られている方など、さまざまな事情がおありだと思います。

会社勤めを経験された方にとっての就業規則は、いつ、誰が作ったのかを意識することはほとんどないでしょう。

しかし、経営者の方々は就業規則を整備する必要があるので、ご自身が当事者です。就業規則の作り方を基礎から学んで自分で作成するというより、何かひな形のようなものがあってそれを少し改変するだけで作ることができれば良いのではないかと「省力化」をお考えの方も多いのではないでしょうか。

そこで当記事では就業規則の作り方について最低限知っておくべき知識と、少しでも簡単に作ることができる方法を解説します。

1.就業規則の作り方で押さえておくポイント3つ

就業規則と聞くだけで難しそうな印象を持たれる方はとても多いと思いますが、ここで解説する3つのポイントさえ押さえておけば決して難しいものではありません。

1-1.就業規則に必ず入れる項目

就業規則の作り方を知るうえで、必ず入れておかなければならない項目を押さえておきましょう。

以下の3つはどんな企業であっても必ず就業規則に入れておく必要があるので、作り方を学ぶ前に自社の取り決め事項を整理しておくと良いでしょう。

1-1-1.労働時間関係

いわゆる定時の規定です。何時から何時までが労働時間ですよ、という具体的な取り決め事項を明文化します。「九時五時」の職場なのであれば、就業規則には午前9時から午後5時までと記載します。

1-1-2.賃金関係

労働時間の次に重要なのが、賃金関係です。昇給などの給与体系は就業規則を根拠に決めることになるので、細かい部分まで明文化しておくことで「お金」のトラブルを防ぐ効果が高くなります。

1-1-3.退職関係

3つ目に必ず記載しておくのが、退職関係です。定年退職や自己都合、会社都合などさまざまな退職や解雇の形があるので、それぞれを明文化します。

会社を去る人は会社との関係性をあまり考えなくても良いこともあってか、退職関係についてはトラブルになりやすいので、あらゆる局面を想定して細かく規定しておくのがセオリーです。

1-2.就業規則の基本構成

次に、就業規則の基本的な構成を見てみましょう。おおむね就業規則は以下のような構成になっており、各項目にはそれぞれの企業や事業所のルールが記載されます。

  • 総則
  • 人事
  • 服務規律
  • 労働時間
  • 休憩・休日・休暇
  • 賃金・定年・退職
  • 退職金
  • 安全衛生
  • 職業訓練
  • 賞罰
  • 副業

こうした構成の根拠になっているのが、厚生労働省が作成しているモデル就業規則です。もちろんすべての企業がこの構成通りに就業規則を作る必要はありませんが、最も無難な構成であると言って良いでしょう。

なお、厚生労働省のモデル就業規則は以下のサイトで閲覧、入手可能です。

さらに、厚生労働省では具体的な業種ごとに就業規則のガイドラインも設けているので、該当する業種の方は参考になると思います。

1-3.就業規則は届出が必要

作成した就業規則は、そのままでは有効になりません。

社内の労働者代表と意見交換をしたうえで労働者側の代表が意見添付をして労働基準監督署に届出をしてはじめて、有効となります。

この場合注意したいのは、労働者側の代表者は経営者や役員など経営陣の人ではダメだということです。あくまでも社員として勤務している人の代表でなければなりません。

もうひとつ、就業規則は「企業ごと」ではなく「事業所ごと」に作成し、届け出をする必要があります。

多角経営をしている企業の場合は事業所によって就業規則の性格が異なるかもしれないので、その場合はそれぞれの事業所で別途作成し、届出をします。同一事業複数の支店や事業所がある場合は、本社で一括して届出をすることも可能です。

2.就業規則をしっかり作成しておく必要性

そもそも就業規則は、なぜ作成しておかなければならないのでしょうか。知らないと意外なリスクに直面することになるので、就業規則の必要性について解説します。

2-1.10人以上の事業所では作成の義務がある

従業員が10人以上いる事業所(職場)には、就業規則の作成と届出が義務付けられています。

逆に言うと9人以下の場合は就業規則の作成をしなくても構いませんが、後述するような民事上のリスクを考えると、従業員を雇っている時点で就業規則を作成しておくべきでしょう。

なお、該当する要件を満たして義務があるにもかかわらず就業規則を作成せず、また届出もしていない場合は30万円以下の罰金という罰則規定もあります。

2-2.「なぁなぁ」では通用しないご時世

中小企業や零細企業の多くは、経営者と古くからの社員の間に人間的な信頼関係が成立していることが多く、良くも悪くも「なぁなぁ」の関係が通用していました。

今もそういった社風の企業は多いと思いますが、仮に従業員数などの関係で就業規則の作成が義務付けられていなくても、その信頼関係がいつ何時崩れてしまうか分からないご時世です。

やはり労使関係を明文化する意味でも就業規則は作っておいたほうが無難です。

では就業規則が不備であると、どんなリスクがあり得るのでしょうか。次項ではその具体的なリスクについて解説します。

2-3.就業規則が不備であると起こりうるリスク

就業規則が用意されていない、有効になっていないと以下のようなリスクが起こり得ます。これらはいずれも実際に起きたことで、顕在化するとかなり恐ろしいリスクばかりです。

  • 社員の責任による懲戒解雇であっても不当解雇にされてしまう
  • 機密の流出に対するペナルティを与えられない、抑止力が機能しない
  • 固定残業代の規定がないために、退職後に多額の残業代を支払うことがある

信頼関係があった社員であっても、ひとたびその関係が崩れてしまうと難敵になってしまう恐れがあります。

そんな事態になっても就業規則が有効になっていれば、そこに記載されている内容によって会社の権利を守ることができます。

3.超簡単な就業規則の作り方

就業規則の必要性は十分に理解できたものの、いざ作るとなるととても面倒でややこしいと感じる方は多いと思います。そこで超簡単な作り方を3つご提案します。

3-1.モデル就業規則を参考に作成

先ほどご紹介した、厚生労働省のモデル就業規則を参考にしながら作成する方法です。すでにモデル就業規則としてひな形が用意されているので、そこにある記載を自社のルールに書き換えていくだけなので、とても簡単です。

しかも厚生労働省が「モデルとするべき」と言っているものなので法的な有効性も高く、就業規則の内容が違法状態になるリスクもありません。

モデル就業規則は、以下のサイトから入手可能です。

3-2.テンプレートから作成

さまざまなビジネス文書のテンプレートを公開しているサイトには、就業規則のテンプレートもあります。

以下のbizocean以外にも無料でダウンロードできるサイトはたくさんあるので、こうしたサイトからダウンロードして必要個所を書き換えても構いません。

3-3.すべて丸投げしたい方は専門家に依頼を

できるだけ費用をかけることなくできる就業規則の作り方を解説してきましたが、そのための予算を確保できるのであれば、専門家に丸投げするのが理想的です。

労務関係のプロは社会保険労務士なので、こうした専門家に依頼すればそれぞれの企業や事業所に最適な就業規則を作成してくれます。

また、企業法務の一環として就業規則の作成もしくは更新をする場合は、弁護士に依頼するのも有効です。

弁護士に依頼するメリットは、労働者や退職者とのトラブルが起きた際にもプロの知見やアドバイス、代理人としての法務サービスが期待できることです。

労務関係のトラブルでお悩みの場合は弁護士に丸投げした方が、問題を一気に解決できるかもしれません。

4.まとめ

就業規則の作り方について、できるだけお金をかけず、手間もかけず、さらに時間もかけることなく作成できる方法に重点を置いて解説してきました。

今は便利な時代なので、ネット上で入手できるものでほぼ完結することができます。思わぬトラブルで足元をすくわれてしまうことのないよう、御社のニーズや事情に即した就業規則づくりにお役立てください。

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