徹底解説!家業を継ぐメリット・デメリットおよび流れと注意点を確認

「家業を継ぐか否かの決断を迫られているけれど、上手くやっていけるのだろうか…」

「サラリーマンを辞めて家業を継ぐメリットとデメリットを確認してみたい」

ある日、真剣な面持ちの父親から「家業を継いでくれないか」と話を切り出されて…というのは一昔前には当たり前に存在する光景でした。しかし昨今は、職業選択の自由との関係で親が営む家業を子が継ぐケースは減っています。

とはいいましても、親の中にはやはり子に継いでほしいと考える人も多く、「サラリーマンを辞めて家業を継ぐべきかどうか」と悩む子もいます。そして子の立場から考えると、安定を捨てて家業を背負っていくことには大きな重圧と不安を感じるものです。

そこで今回の記事では、以下について解説します。

  • そもそも家業とは
  • 子が家業を継ぐことに抵抗を覚える理由
  • 家業を継ぐメリットとデメリット
  • 家業を継ぐ際の流れ
  • 家業を継ぐ際の注意点

 家業を継ぐか否かの判断は、まさに人生の岐路です。いつか後悔することがないように、この記事を読み、継ぐか否かの判断を慎重に行ってください。

 そもそも家業とは?

はじめに家業の意味について確認してみましょう。そもそも家業とは非常に幅広い意味を持つ言葉で、株式会社から街中の飲食店、または農業・林業・職人業など多くのものが対象となります。

しかし「家」という言葉がついていることから、その中でも家族によって継承される事業および職業を「家業」というのが一般的ですね。冒頭でも述べたとおり、昨今は職業選択の自由との関係で子が家業を継ぐことが減っており、過去には家業であったものも廃業もしくは家族以外の人物へ譲渡される場合が増えています。

現代でも親の職を子が継ぐという考えがある

昨今は家業を子に継がせるケースが減ってきています。それは以下のグラフからもわかるでしょう。

引用元:https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/PDF/08Hakusyo_part3_chap3_web.pdf

2012年までのデータしかありませんが、事業を親族に承継させる割合をみると1987年には約65%だったものが、2012年には45%まで下がっています。

もちろん「親族」の中には子だけではなく兄弟なども含まれるはずです。そのため家業を子に継がせるケースは非常に少なくなっているのですね。

しかし、当然ながら現代であっても家業を子に継いでほしいと考える親は存在します。上のグラフにおいて未だに親族承継が最も多いことからわかるでしょう。創業者の視点で考えるならば、自分が作り上げて維持してきた家業を子に任せたいと考えるのは自然な気持ちです。

子が家業を継がなくなっている理由

上では親族に家業を譲る割合が減っていることを確認しましたが、そこにはどのような理由があるのでしょうか。代表的なものは以下のとおりです。

  • 自分の職業は自分で選びたい(職業選択の自由)
  • サラリーマンの方が安定している
  • リスクを負いたくない
  • 親への反発心

 以上のように家業を継ぎたくないと考える理由にも様々なものがあるのですね。それでは、上記5つの理由について簡単に解説していきます。

自分の職業は自分で選びたい(職業選択の自由)

職業選択の自由に対する意識の高まりは、大学進学率の高まりと関係していると考えられます。多くの若者が大学卒業を控えた段階で広い選択肢の中から職業を選択できるようになったため、その分家業を継ぐ進路をとる子は減っているのです。

サラリーマンの方が安定している

子が家業を継ぎたくない理由として、不安定だからというものも多いです。つまりサラリーマンの方が安定していると考えるのですね。サラリーマンの場合、自ら経営判断を行う必要はなく、そのうえで定年時までの給与を大まかにイメージすることができます。つまり人生設計を描きやすい点に魅力を感じるのです。

しかし「サラリーマン=安定」という構図は、一昔前と比較すると崩れつつあるのも事実です。終身雇用制も崩壊の兆しをみせているため、どのような業種・職種であってもサラリーマンならば将来にわたって安定していると考えるのはリスクがあります。

 リスクを負いたくない

サラリーマンであることの安定性を求める心理の裏側には、しばしばリスクを避けたいという気持ちがあります。これも家業を継ぎたくないと考える理由です。

しかしこの点についても、昨今はサラリーマンであっても不安定な立場になる場合が増えているため、家業を継ぐことがサラリーマンとして働くことと比較してリスクが高いと一概に言うことができなくなっています。

親への反発心

さいごに紹介する理由は、親への反発心です。それこそ親から子に対して問答無用で家業を継げという姿勢があると、子は大きく反発します。しかしこうした反発は家業の本来の姿や魅力を知る機会を妨げます。それは親にとっても子にとっても不幸なことです。

親の立場からは無理強いをせず、子の立場からは親への気持ちとは別の視点から家業そのものの価値に目を向ける努力をすべきです。

家業を継ぐメリットとデメリット

家業の現状を知ったところで、ここでは家業の継ぐことのメリットとデメリットを確認してみましょう。いずれも一般論であり、具体的にどういったビジネスを継ぐかによりメリットとデメリットは変わりますが、まずは一般的なものを理解しておく必要があります。

メリットとデメリットを正しく理解できてこそ、家業を継ぐか否かについて正しい選択ができるのです。

メリット

はじめに家業を継ぐメリットを解説していきます。代表的なものとしては、以下が挙げられるでしょう。

  • 自由な働き方ができる
  • リストラの恐れがない
  • 利益をどれだけ得られるかが自分次第
  • 家業に関連する資産を受け継ぐことができる
  • 最終的に家業を売却して利益を得る可能性がある

それでは、上記5つのメリットについてそれぞれ解説していきましょう。

自由な働き方ができる

家業を継ぐことは多くの場合、あなたが経営者になることを意味します。それは個人事業主であっても同じです。そのため働く時間はもちろんのこと休日から仕事をする相手まで、あなたが決めることができるのです。これはサラリーマンにはない大きなメリットでしょう。

1か月は根をつめて無心に働き、次の1か月はバカンス…ということも実現可能です。この自由は味わってみないことには価値の大きさがわからないものですが、家業を継ぐことの大きな魅力です。

リストラの恐れがない

自らが経営者になるためリストラの心配もありません。裏を返すと、自分の食い扶持は自分で稼がなければならないことでもありますが、自らの能力や意志に関係なく突然に職を奪われることがない点は大きなメリットです。また定年もないため、あなたの体と心がもつ限り働いて利益を得ることができます。

利益をどれだけ得られるかが自分次第

利益という点では、あなたの出した成果がそのままあなたの得る利益に反映される点も家業を継ぐ大きなメリットです。利益を出すためには幅広い分野における知識が必要となりますが、それを実現できたあかつきにはサラリーマンでは難しい額を一度に得ることができます。

家業に関連する資産を受け継ぐことができる

家業を継ぐ場合と、ゼロから同業を始めようとする場合を比較すると、事業に必要な資産を親から譲り受けられる点に大きなアドバンテージがあります。また設備や土地建物のみならず、事業を営むために必要なノウハウや知識を受け継ぐことができる点もメリットです。

最終的に家業を売却して利益を得る可能性がある

これは将来の話となりますが、継いだ家業を最終的に売却することもできます。それが黒字経営であり、継続的な利益が期待できるものであれば、売却時にあなたの手元にまとまったお金が入るでしょう。

デメリット

次に家業を継ぐことのデメリットについて解説します。メリットだけを見ると、家業を継ぐことはいかにも魅力的ですが、魅力の裏には一定のリスクも存在しています。それが以下のものです。 

  • 収入が安定しない
  • どれだけの損失を被るかが自分次第
  • 従業員をまとめるのが大変
  • 不測の事態の対応をしなければならない機会が多い
  • 自由な転職をしにくい

このように家業を継ぐことには一定のデメリットがあります。以下を読み、詳しく理解しておきましょう。

収入が安定しない

自ら経営して事業を営むことでサラリーマンを遥かに上回る利益を得るチャンスがありますが、やはり収入の安定度の高さではサラリーマンに劣ります。そして「2か月先の収入が決まっていない」というストレスは意外と大きなものです。

こういった点は長期契約の獲得、貯金、生活レベルの制限でよりバランスをとりつつ対応していくことが求められますね。家業を継いだ当初こそ不慣れで大変かもしれませんが、次第にバランス感覚は身に着いていくはずです。

どれだけの損失を被るかが自分次第

大きく稼ぐチャンスの裏には、リスクがあります。これを自ら被らなければならないのも家業を継ぐデメリットでしょう。リスクは取引先や消費者に損害を与えた場合に非常に大きくなるため、そういった問題を避けるノウハウと知識を親からしっかりと学んでおきましょう。

従業員をまとめるのが大変

事業によってはあなたの元に従業員が存在する場合があります。その際の人的マネジメントの大変さは家業を継ぐ一つのデメリットになるかもしれません。中には親から継いで経営者となったあなたをやっかむ従業員もいるかもしれません。

しかし、彼らをまとめてこそ大きな利益を得られるのも事実なので、人的マネジメント力は常に磨いていきたいものです。一方で個人事業主の場合はこのデメリットは発生しません。

不測の事態の対応をしなければならない機会が多い

経営者は事業の舵をきる存在であると同時に、不測の事態に真っ先に対処しなければならない存在です。そのため不測の事態があれば休日など関係なく、現場に赴く必要があるでしょう。いかに組織を適切にマネジメントしていたとしても、不測の事態は起こります。

自由な転職をしにくい

サラリーマンの転職は次第に容易になっていますが、経営者の場合はそうはいきません。そのため家業に興味がなくなっても、すぐに違う仕事を開始することは現実的ではないのです。

その場合は会社の売却や清算が選択肢となりますが、どちらも時間がかかります。また従業員に対する責任もあるため、一筋縄ではいかないでしょう。

家業を継ぐ際の流れ

家業を継ぐことのメリットとデメリットを確認したところで、次は実際に子が親の家業を継ぐ際の流れを確認しましょう。以下では、子がすでにサラリーマンとして働いているところに、親から家業を継いでほしいと相談があった前提で解説していきます。

まずは図で大まかな流れを確認してみてください。

先ほども述べたとおり、実際の手続きはどのような家業を継ぐかにより変わる可能性があります。しかし家業を継ぐ場合の多くに共通する手続きをまとめると上の図のようになるのです。

承継手続き自体は事務的なものなので、家業を継ぐ際の実質的なポイントとなるのは以下の2つです。

  • 従業員や取引先への挨拶、信頼関係構築
  • 資産の引き継ぎ

従業員および取引先に対する信頼の構築は一夜にして完了するものではないため、あなたが経事業を経営していく中で少しずつ作り上げていかなければなりません。

資産については、親から子への売却もしくは贈与によってなされます。子に資産を買い取る資金がない場合は贈与の方法を使うこととなりますね。

こうした流れを経て、あなたは家業を継ぎ、経営者として事業を営んでいいくことになるのです。

家業を継ぐ際の注意点

記事のさいごでは、家業を継ぐ際の注意点を解説します。以下は家業ぞ継いだ後に問題になりやすいので、はじめから理解しておきましょう。

義務感だけで継ぐと失敗しやすい

家業に対して、ゼロから作り上げた親は並々ならぬ思いを抱いていることがあります。そして、子は親の思いを無駄にしてはいけないと義務感から家業を継いでしまう場合があるのです。こういった場合、子によほどの才覚がなければ事業が破綻するリスクが高くなります。

経営者として日々適切な判断をしていくためには、義務感だけでは対応することのできないプレッシャーがあるのですね。やはり家業を継ぐためには、事業に関する興味や前向きな気持ちがあるのが望ましいのです。

徐々に継ぐイメージを持つ 

家業を継ぐ際は一度に親から子に事業が移動するのではなく、徐々に継いでいくイメージを持つと成功しやすくなります。当たり前のことですが、現在の家業の信頼は親が作ってきたものです。そのため、取引先や従業員の立場からすると「明日から子が社長です」と言われても、すぐに子を信頼できるわけがないのです。

このことから、家業を継ぐ場合は経営権をはじめとした権利を徐々に親から子に移していきましょう。重要な商談の場合は、家業を継いだ後でも子だけで臨まずに、親も同席すべきでしょう。家業を完全に継ぐには時間がかかるのです。

あなたがなるのは職人ではなく経営者

家業を継ぐ際は、事業の全工程を把握しなければなりません。そのため経営ノウハウだけでなく現場業務についての知識も得なければならないのです。その際に注意すべきなのが、現場業務を習得することばかり優先して、経営能力を養う機会を逸することです。

家業を継いだあなたは現場社員ではなく経営者になるのです。そのため現場業務に必要な知識およびノウハウと、経営に必要な知識およびノウハウは分けて理解する必要があります。

まとめ

いかがだったでしょうか? 今回の記事では、家業を継ぐことについて解説しました。家業とひとくくりにしても、実際に引き継がれる会社・事業は様々です。そのため、あなたはあなたが継ぐ事業に合わせて、今回の記事で紹介したポイントを柔軟に理解していく必要があるのです。

今回の記事のポイントは以下にまとめました。

  • 家業には個人事業主として営むものから会社まで幅広く含まれる
  • 親の家業を継ぐ子は減っている
  • 家業を継ぐと、自由な働き方ができ、大きな利益を得るチャンスがある
  • 家業を継ぐと、収入が安定せず、リスクを被る恐れがある。
  • 義務感のみで家業を継がず、事業内容に関心を持つ必要がある

家業を継ぐことには大きなプレッシャーと不安があるものですが、親への反発心などの偏見を捨てて家業を見つめてみると、そこには思わぬ魅力が隠されているかもしれません。あなたの人生はあなたが決めるものですが、選択肢の一つとして家業を継ぐことも検討してみてください。

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