経営者の永遠のテーマ「不安との戦い」に打ち勝つ方法と不安の正体とは

経営者は元来孤独なものであり、不安との戦いがあるのは当然のこと・・・ということを言葉では理解していても、実際に不安との戦いが続くと疲れてしまいますし、心が折れそうになることもあるかと思います。これは多くの経営者の皆さんに共通したお悩みなので、「自分だけの問題ではない」ことを知って納得できれば良いのですが、それも難しいのが人情です。

しかもその不安が漠然としたもので、目の前にある課題のようにはっきりとしたものではないことが多く、一層問題の解決が難しく感じられてしまうでしょう。何とかならないものでしょうか。

そこで、当記事では経営者の皆さんが共通してもっている「不安との戦い」をテーマに、それがいったい何なのかを探り、克服する方法を考察してみたいと思います。

1.不安との戦いから抜け出したい経営者の皆さんへ5つの質問

最初に、経営者の皆さんがそれぞれお持ちの不安について、その正体が何なのかを解き明かしてみたいと思います。5つの質問を設けましたので、それぞれの質問に対する答えを出してみていただけますでしょうか。

1-1.その不安はどこから来たものですか?

今お持ちのその不安は、何に関するもので、どこから来たものかはお分かりでしょうか?答えは1つではないでしょうし、もしくは漠然としたものかもしれません。まずはそれを可視化するために紙に書き出してみてください。思いつくままにたくさん書き出していただくと、そこから全体像や共通点のようなものが見えてくるかもしれません。

もしくは、あまりにも漠然としていて書き出すような言葉にならないということもあるでしょう。その場合は「あまりにも漠然としていて言葉にならない」ということを認識していただければOKです。

1-2.なぜ不安と戦おうと思ったのですか?

最初に不安の全体像を書き出す作業をしていただきましたが、そこにある不安の数々は言わば敵です。その敵となぜ戦おうと思ったのか自問自答してみてください。不安との戦いはとても漠然としたものなので、それを少しでも定義していくために一度考えてみてください。

おそらく多くの経営者の方が、「会社の経営を安定させるため」「今後も成長していくため」という答えを出されると思います。それはとても健全なことであり、経営者としての責任感にあふれたお考えです。

1-3.そして、なぜ不安との戦いから抜け出したいのですか?

不安との戦いが何者なのかを少しずつ可視化してきたところで、次の質問です。次に考えていただきたいのは、その不安との戦いからなぜ抜け出したいと思われたかという理由や動機です。不安との戦いはとても漠然としているので正体が分かりにくく、得体のしれない切迫観念のようなものに襲われるのは辛いものです。そんな感覚から抜け出したいというのが、おそらく多くの方に共通する思いでしょう。

当記事ではもちろん、不安との戦いから抜け出す方法を提案しています。しかしそれは具体的な手段であり、その前に不安との戦いから抜け出す覚悟があるのかどうか、それをご自身の中で整理していただきたいと思います。

1-4.そもそも、それは不安なことですか?

漠然とした正体のよく分からない不安との戦いだけに、ここでもひとつ自問自答していただきたいことがあります。そもそも論になりますが、その不安とは本当に不安なことでしょうか?すぐに答えがでないようなものに人は不安を感じますが、実はその多くは不安に感じる必要のないものです。

例えば、「先行きの不透明感」「将来が見通せない」「会社は今後も成長していけるか」といった不安はいずれも、今すぐ解決できるものではありませんし、そもそも具体的な課題があるわけではありません。実は今すぐ悩む必要のないようなことであっても、責任感の強い経営者ほどこういった不安を感じやすいものです。

1-5.最終的に不安との戦いはどうなりそうですか?

そして5つ目の質問は、不安との戦いの結末です。不安と戦った結果、その戦いはどうなりそうだと思われますか?おそらくほとんどの方が「負けそう」というネガティブな印象をお持ちなのではないでしょうか。何せ不安の正体が漠然としたものであるだけに、どうなれば勝ったことになるのかも定義されていないのですから。

ここで「負けそう」と答えた方のほうが、むしろ健全でしょう。ここで「勝てそう」と答えた方はそもそも不安と戦っていないかもしれず、楽天的な部分をお持ちなのでしょう。このこと自体はポジティブシンキングにつながるので悪いことではありませんが、経営者は常に不安と戦っているくらいがちょうど良いのかもしれません。

2.経営者が不安を感じる理由

前章では経営者の皆さんがお感じの不安について、それが何者であるかをあぶり出すような質問を投げかけてみました。その思考が残っているうちに、ここでは経営者の皆さんが不安を感じる理由について具体的な3つのパターンを解説します。おそらくこの中に心当たりのあるものがあると思います。人によっては3つすべてに当てはまるかもしれません。

2-1.経営者が背負うものが重すぎる

会社の中で経営者は特別な存在であり、「社員の1人」ではありません。経営者が持つ戦略やビジョンによって会社の未来は大きく変わりますし、それが必ずしも明るい未来であるとは限りません。しかも2020年に起きた新型コロナウイルスのパンデミックは経済や社会に暗い影を落としており、先行きの不透明感を強く感じた経営者は多いことでしょう。

そんな未来に向けて、果たして自分が会社を成長させていくことができるだろうか?と不安を感じるのは当然のことです。経営者が背負うものはあまりにも大きく重いのは周知のとおりですが、このことについて責任感の強い人ほど不安が大きくなってしまうのも無理はありません。

2-2.経営者の判断によって人生のすべて失ってしまう

経営者は会社の最高意思決定者です。もちろん他の社員からの意見具申もあるので、それを採り入れつつかじ取りをしていくわけですが、いざとなった時には経営者の一存で会社の意思決定をすることができます。それだけの権限を持っていることは、裏を返すと間違った判断によって人生のすべてを失ってしまうリスクもはらんでいます。

特に日本の商慣習では、経営している会社が倒産してしまうと債務を個人保証していることが多く、名目上は有限責任の会社であっても経営者自身が保証人となっているために全財産を失ってしまうことがあります。これは日本の悪しき慣習だと思いますが、この「人生のすべてを失う」というプレッシャーは相当なもので、これが得体のしれない不安につながってしまったとしても無理はありません。

2-3.失敗すると自分だけでなく社員を路頭に迷わせてしまう

経営者自身が人生のすべてを失ってしまうだけでなく、会社を倒産させてしまうと社員を路頭に迷わせてしまうことにもつながります。これも経営者を不安にさせる大きな要因で、責任感の強い人ほど不安は大きくなるでしょう。また、父親など先代から会社を受け継いだ人の場合は「自分の代で会社を潰してしまうのは申し訳が立たない」という思考になりがちなので、これも不安を大きくさせる要因になります。

3.不安との戦いを克服して精神的安定を得る方法3選

経営者が不安との戦いを克服する方法を、3つピックアップしました。いずれも今すぐ取り組めることなので、これらの方法をぜひ試してみてください。

3-1.不安を感じることが実は健全である

ここまでにも同様のことを述べていますが、経営者が不安と戦うのは決して不思議なことでも、珍しいことでもありません。至極自然なことです。不安を感じるということは経営の先行きに対して常に危機意識を持っていることの証しでもあるので、「不安があって当たり前」「むしろ健全なこと」と考えるようにしてください。

このような思考を持つことによって、これまで感じてきた不安が解放されます。経営者ではなくても人間は本来、不安を感じながら生きているものです。不安との戦いに終わりはなく、その中から得るものがあるはずだと考えることが、不安克服の第一歩です。

3-2.経営者とは本来、孤独な商売である

これもそもそも論になりますが、経営者とは本来孤独な商売であり、相談する相手がいないことが不安を大きくさせている側面があります。不安の原因が孤独やプレッシャーなのであれば、それらとうまく付き合うことで不安を軽減できるかもしれません。

当メディアに経営者の孤独とプレッシャーとの付き合い方について解説している記事がありますので、そちらもぜひ参考にしてください。

・経営者が感じる孤独の原因と今すぐできる5つの孤独解消法

・経営者にプレッシャーは付き物?うまく付き合う思考法&行動法6選

3-3.プロのコンサルタントをつけてみる

3つ目の方法は思考の転換といったメンタル面での手段ではなく、もっと直接的なものです。その方法とは、プロのコンサルタントをつけるというものです。もちろん予算が必要になりますが、コンサルタントは経営のプロであるのと同時に、経営者と付き合うことのプロでもあります。お金を使って不安の解消をアウトソーシングするという感覚で、コーチやコンサルを利用するのも有効な方法です。

この場合注意したいのは、人づてに紹介されたコンサルタントや知人などではなく、全く知らない人にするべきであることです。懇意にしている人だとどうしても余計なバイアスがかかってしまうため、ビジネスと割り切ってアドバイスをくれる関係性のほうが良い結果につながりやすくなります。

4.まとめ

経営者にとって永遠の課題と言ってもよい「不安との戦い」について、その正体や克服法について解説してきました。質問の内容も含めて、ご自身の中で心当たりがあることも多かったのではないでしょうか。思考の転換だけですぐに取り組めるものも多いので、まずはできることから試してみてください。

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