企業の行く末を決める経営者の覚悟とは?覚悟が見える行動と成功事例2選

経営者に必要なのは能力でしょうか?それとも経験でしょうか?どちらも企業を経営するための必要な要素になりますが、実は最も重要なのは経営者としての覚悟です。

たとえ経験が浅く、能力が足りなかったとしても、確固たる覚悟があれば企業は大きく成長するポテンシャルを発揮します。反対に経験豊富で能力も十分にあるとしても、経営者に覚悟がなければ企業は遅かれ早かれ沈みゆく舟になるでしょう。それでは、競合がひしめき合う中で生き残って成長していくために必要となる、経営者の覚悟とは何でしょうか?

大きく成功した経営者の言葉や行動をもとに、経営者の覚悟について解説していきます。

1.経営者に必要な覚悟とは

しっかりとした業績を残して成功した先人の言葉は非常に重みがあり、経営者として学ぶべきことは多くあります。

そこで経営者に必要な覚悟とは何か、パナソニックの創業者である松下幸之助氏の言葉から学んでいきましょう。

1-1.命をかける覚悟がなければ経営者にはなれない

命をかける覚悟というのはかなり重みがある言葉ですが、これはお酒を飲んでいても遊んでいても、テレビを見ている時でさえも常に自社製品のことを考え、時代のニーズに合っているのかといったことやお客様に喜ばれているかなどに注意を払い、あらゆることからヒントを得て実行に移さなければならないという意味です。

つまり、経営者は常にあらゆることにアンテナを張ることが不可欠であり、それによって得たヒントをすぐに実行に移してこそ成功につながります。これを怠る人は、企業を率いる経営者としての覚悟が足りないということです。

1-2.常に仕事のことを考えねばならない

経営者は従業員自身とその家族の生活、さらには彼らの命すらも左右する存在です。それほどの重みがあるからこそ常に仕事に没頭し、人生から仕事を引いたらゼロになっても良いというほどの覚悟と実践が必要になります。

そのような生活は嫌だし重責に耐えられないという人は、残念ながら経営者になるべきではないといえます。少なくとも経営者は、他の社員と同じように何もかも忘れて遊ぶことや、「有休休暇を消化します」といって休んでいては務まりません。その程度の覚悟で成功するほど、企業の経営は甘くありません。

企業が時代に取り残されずに生き残り、成長し続けるためには、遊ぶにしろ休むにしろ、何でもビジネスチャンスにつなげようとする経営者としての貪欲な心が必要です。

1-3.従業員のために死ぬ覚悟をもつ

何か問題があった時に「お前のせいだ」という人と「責任は自分にある」といって行動できる人がいたら、どちらに付いていきたいと思うでしょうか?おそらく、後者を選ぶ方が大半でしょう。

ここで非常に重要なのは、「自分がなんとかする」ということを口だけではなく、行動で示せることです。従業員のために行動ができて初めて経営者としての覚悟ができているといえるのであり、その姿を見た従業員は心から経営者の力になろうとしてくれるはずです。

1-4.覚悟こそ経営のエネルギーになる

松下幸之助氏の言葉はかなり重みがあるので、トップに就任したばかりの経営者やこれから事業を承継する方にとっては、かなり厳しく聞こえるかもしれません。しかし、それは松下幸之助氏がそれほどの覚悟を持って経営に臨んでいたということです。彼が心掛けて実践していた経営者の覚悟を詳細に知りたい方は、「命をかける覚悟がなければ経営者になるな」をご覧ください。

【参考】東洋経済「命をかける覚悟がなければ経営者になるな

ここまでに述べたことをお読みになると、経営者としての立場が重荷に感じるかもしれませんが、覚悟を持つと不思議なことに、創意工夫する気力とアイディアが次々と湧いてくるものです。

覚悟という言葉に対して悲壮なイメージを抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、経営者の覚悟とは「企業をなんとしても継続していこう(または大きくしていこう)」とするかなり前向きなものです。そして、これこそがビジネスチャンスを引き寄せるエネルギーになります。

2.行動に現れる「覚悟がある」経営者と「覚悟がない」経営者の差

経営者の覚悟とはどういったものか知ったところで、行動についても注目してみましょう。

覚悟があるのとないのとでは、行動に雲泥の差が現れます。あなたの行動はどちらでしょうか?

2-1.「覚悟がない」経営者の行動

最初に、覚悟がない経営者の行動をみていきましょう。

2-1-1.従業員のせいにする

業績が上向かないことや部下がいうことを聞かないなど、うまくいかないことや失敗があると従業員のせいにする人がいます。他人のせいにする行動は「部下の責任は自分がとる」とは真逆の行動であり、経営者としての覚悟が足りない証拠です。

また他人のせいにする行動は、経営者である以前に人として信頼されません。これは多くの従業員を率いる立場としては致命傷です。

2-1-2.社歴や社内文化のせいにする

「うちの会社は昔からこうだから」や「社歴が短いから」と口癖のように言っていないでしょうか?確かに、企業には創業者が作ったルールや文化などといったものがあるでしょう。しかし、文化やルールが前任の経営者が作ったものなら、現経営者が変えて新たに作り出していけるはずです。

そもそも、企業は時代に合わせて変化しないと成長できません。成長できない企業は当然他の競合に負けて埋もれていき、最悪の場合は倒産してしまいます。それなのに社歴や社内文化のせいにして企業を変えていけないのは、今までのやり方に囚われてより良く変えていく覚悟がないことになります。

2-1-3.方法が分からないせいにする

何でも自分でやろうとする経営者は、思いのほか多くいらっしゃいます。これはプライドが高い方や能力が高い方に多い傾向があり、方法が分からないならよく知っている人に聞けば良いのに、自分でやって失敗することが多々あります。

経営者は従業員とその家族の生活や命までも握っている立場であると理解していれば、何が何でも成功しなければいけないと考えるはずです。そして、失敗しないために分からないことは素直に質問できるものです。

それができないのは、一つの失敗が企業や従業員の生活に悪影響を及ぼしかねないという自覚が足りないといえます。また、経営者が何でもやってしまうと従業員は信頼されていないと感じ、ヤル気をなくしてしまって悪循環となります。

2-2.「覚悟がある」経営者の行動

次に、覚悟がある経営者の行動を確認していきましょう。

2-2-1.言い切り型で話す

覚悟がないうちは「~したい」と希望型で話すことが大半です。希望型で話すこと自体は悪くありませんが、そればかりでは物事を前に推し進めるエネルギーが足りないのも事実です。

それに対して覚悟があると、何が何でもやらなければいけないという責任も伴うので「~する」という言い切り型になります。これは経営者としての覚悟が確固たるものであるほど強くなる傾向があります。

2-2-2.とにかく質問をする

企業をなんとしても良くしたいと覚悟を決めると、足りない知識やスキルを身に付けようと必死になります。このような経営者の方には、とにかく質問をする経営者が大勢いらっしゃいます。

知識やスキルを身に付けるのには、相応の時間が必要になります。それを承知で謙虚に質問して実践を繰り返す経営者の企業は、時間がかかっても環境が良くなり、従業員も働きやすくなるケースが大半です。

2-2-3.人に任せることができる

経営者としての覚悟がある方は、ある分野において自分よりもエキスパートだという人がいれば、その人に任せるという判断ができます。

それはいつも会社を良くするための最善の方法を模索しており、適任者がいれば自分で抱え込むより任せた方が良い結果が出ると知っているからです。

2-3.覚悟があれば「行動」が変わる

今は経営者の覚悟が足りないとしても、「今からやる!」と決めれば行動は変わります。それも立派な経営者としての覚悟です。

最も経営者の覚悟がない行動は、「変わらない」ことです。「頭では分かっている」といって行動しないのは、覚悟がないことと同じです。

以上のことから、まずはやると決めてしまいましょう。そうすれば結果は後からついてきます。

3.経営者の覚悟によって企業が成長した事例2選

ここからは、経営者の覚悟1つで企業が成長した事例を2つ厳選してご紹介します。一口に覚悟といっても様々な形があるので、ぜひ参考にしてください。

3-1.本業に打ち込むことで企業を大きくした食品製造会社

もともと車のディーラー店を経営していたAさんは、今までに自分が経営していた全ての会社を後進の方に譲り、両親が創業した食品製造会社を引き継ぐことになりました。

この時に受け継いだ食品製造会社は赤字でしたが、Aさんは覚悟を決めて自分が経営していた会社から入る報酬や協力関係などを全てゼロにして、退路を断って本業に打ち込みました。その結果、わずか1年で黒字経営にV字回復することに成功しました。

人は何かあった時の保険があるうちは、全身全霊で打ち込むことは難しいものです。そのためAさんは、自ら退路を断って本業に集中打ち込む覚悟を決めたからこそ花開いたといえます。

3-2.過去を断ち切って成長した呉服店

ある呉服店は20代後半のBさんが社長に就任しましたが、先代のセンスや見識がずば抜けて高かったために、由緒ある家柄や高い審美眼を持った顧客ばかりで荷が重い状態でした。商売自体はうまくいっていましたがBさんはこのままではいけないと考え、これまでの蓄積に頼らず、新しい顧客関係を築こうと覚悟を決めました。

そして、すぐに自社ビルに入居していたテナント全てに立ち退いてもらい、全てのフロアを使って自分の店づくりに力を注ぎました。

最初のうちはテナント収入がゼロのうえに多額の改装費用のため、マイナスからのスタートなりましたが、新しいコンセプトのもとに精力的に打ち出していったところ、10年経つ頃には顧客が全て新しく入れ替わりました。

経営者の入れ替わりや時代の流れで顧客が離れていく企業は多々ありますが、Bさんのケースは経営者の覚悟1つで企業が生まれ変わり、新規顧客の開拓に成功した良い例です。

3-3.企業を成長させる経営者の覚悟は様々である

先に挙げた2つの事例の他にも、借金を背負ってでも利益を追求する覚悟や社員の生活を背負う覚悟など、覚悟のあり方は様々です。

形はなんであれ、経営者の覚悟は企業が成長する原動力になります。

4.まとめ

覚悟は人に強制されて持つものではなく、自分がしっかり立たなければ企業は立ち行かないと自覚した時に、初めて持つことができます。

本記事を読んで経営者としての覚悟が足りないと感じる方は、「今から」でも覚悟を持てば問題ありません。なぜならば覚悟を決めたその瞬間から、行動が変わるはずだからです。それによって今以上に良い経営者となり、企業を成長に導くことが可能になります。

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