社長の右腕がほしいとお感じの経営者が知っておくべきセオリーまとめ

経営者は孤独な職業なので、いつでも相談できる参謀のような人がいればいいのにと思う方は多いと思います。

そんな人のことを「社長の右腕」と呼ぶこともありますが、実はこうした右腕的な存在の人は企業の安定的な発展に非常に重要で、そんな人がいるかいないかで会社の命運が分かれるといっても過言ではありません。

「しかし、今は右腕と呼べるような人はいない」

「社内を見渡しても、適任と思える人がいない」

といったお悩みをお持ちの方も多いことでしょう。そこで今回は、社長の右腕という存在について解説したいと思います。

社長の右腕となるような人がなぜ必要なのか、右腕となる人を手に入れるにはどうすれば良いのか、これらの点について経営者の方々に向けて解説していきます。

1.こんなにある、社長の右腕が必要な理由

経営者は孤独なので社長の右腕となる人が必要と述べましたが、理由はそれだけではありません。社長に右腕が必要である理由は、こんなにあります。

1-1.社長の右腕ってどんな人?

江戸時代、規模の大きな商店には必ず番頭さんがいました。そこの大将の経営方針に沿って実際に部下を動かし、自身も動く存在の人です。極端に言えば、優秀な番頭さんがいれば経営者の能力が高くなくても、その商店は繁盛します。

それでは番頭さんが経営者になれば良いのではないかと思ってしまいますが、番頭さんはあくまでも「現場のトップ」であり、商人がとっているリスクをとってまで経営に関わろうとはしませんでした。

この番頭さんこそ、現代でいう社長の右腕です。社長が持っているビジョンや経営方針などを現実の行動に落とし込んで人を動かし、組織の運営をする人なので、とても重要な存在であることは言うまでもないでしょう。

それでは、現代の番頭さんである社長の右腕にはどんな役割があって、どんな必要性があるのかを解説していきましょう。

1-2.社長の良き相談相手、参謀となる

社長とは本来、孤独な職業です。「経営者が感じる孤独の原因と今すぐできる5つの孤独解消法」の記事で詳しく解説していますが、その孤独を克服することは社長としてひとつの課題だと思います。

そんな時に「右腕となってくれるような人がいたら」と思うものですが、それならば社内にそんな資質のある人がいないか見渡してみるべきでしょう。

右腕となってくれる人は常に社長に寄り添い、良き相談相手になってくれるはずです。そして参謀として、時には社長の考えを超えるような戦略を提案してくれるものです。

1-3.社長の理念を具体的な行動として実践する

社長以下、社員が数人程度の企業であれば社長自身が理念を掲げ、そのために自分で社員を率いていくことになりますが、例えば社員10人など一定以上の規模になると社長自身がそれをやるには時間があまりにも足りません。

そこで重要になるのが、かつての番頭さんです。

社長の理念を理解し、それを具体的な戦略や行動に落とし込み、実践するのはナンバー2である番頭さんの役割です。現代では社長の右腕となる人がそれを担うことになるので、社長との役割分担が可能になります。

1-4.社長に代わって社内を掌握して組織運営をする

一般的に社長の右腕となる人は、社長よりも社内事情に精通しています。多くの社員と人間関係を構築し、組織全体を掌握しているのが理想形です。

特に二代目や三代目といったように血縁関係で社長に就任した人の場合は社内を掌握するのに時間がかかりがちですが、先代からのナンバー2として社内を掌握している人がいるとしたら、事業の承継もかなりスムーズになるはずです。

先代のやり方についても熟知しているはずなので、会社全体に違和感を与えることなく代替わりができることも期待できます。

1-5.社長にはできないことをする

社長の右腕なのでイエスマンであり、社長と同じスキルを持っている人が良いと思われがちですが、実はその逆が真実です。

社長と異なるスキルを持ち、そのスキルにおいて社長を上回っているくらいの人だと、社長にはできないことをやってくれます。

それが何であるかは人それぞれですが、そうすることで社長自身も右腕の人を信頼できるようになりますし、相互補完をすることで「強い経営陣」を構築することができます。

2.社長の右腕にふさわしいのは、こんな人

社長の右腕となるのにふさわしい人物像とは、どんなものでしょうか。ここでは右腕候補としてふさわしい人の資質を5つにまとめました。

2-1.非イエスマン

最も重要なのは、イエスマンではないことです。

社長としてイエスマンやゴマすりをしてくれる人は可愛いものですが、周りがイエスマンだらけになると社長が誤った判断をしそうになったり、大局的なものの見方ができていない時に誰も意見をすることができません。

そのまま修正されることなく誤った方針が打ち出されてしまうと重大なダメージを受けてしまう可能性があります。

むしろ社長とは違った視点を持っていて、それに対して堂々と意見を発することができる人ほど、社長の右腕にふさわしい人です。

だからといって意見が衝突してばかりなのではストレスの原因になってしまうので、あくまでも自分の意見をしっかりと持っていてそれを社長に正確に伝えられる人であることが重要です。

2-2.価値観や戦略が異なる

イエスマンではない人には必ず、自分だけの価値観やものの考え方があります。そしてその延長線上には、その人なりの戦略があるはずです。これが社長とは異なっているかもしれませんが、それも右腕としての資質です。

社長と異なる戦略を持っている場合、なぜそう思うのか、それを社長に理解してほしいのかをしっかりとコミュニケーションをとることで相互理解が深まり、より多様性のある戦略が生みだすことができるようになります。

2-3.コミュニケーション能力が高い

先ほどまでの2点について、いずれもコミュニケーションの重要性にお気づきではないかと思います。

そこで3つ目には、非イエスマンや価値観の異なる人が右腕となるために必要な資質としてコミュニケーション能力を挙げたいと思います。

これは社長など経営陣とのコミュニケーションだけでなく、社員とのコミュニケーションについても同様です。

相手の話を聞く傾聴力と自分の考えを伝える伝達力はコミュニケーション能力の二本柱ですが、この両方を備えている人は社長の右腕にふさわしい人です。

2-3.「上」よりも「下」からの人望がある

コミュニケーション能力を発揮する場面として先ほど、経営陣だけでなく社員とのコミュニケーションも重要であると述べました。

このように「上」と「下」の両方とコミュニケーションが取れていることは右腕としての資質十分ですが、とりわけ「下」からの人望があることも重要な意味を持ちます。

というのも、社長の右腕となる人は社長に成り代わって社内を掌握し、組織全体の管理を任されることが多く、その際に「下」からの人望が必要になるからです。

たたき上げの人で現場のことを熟知している人など、社内にはそういった人材がいることと思います。そんな人は社長の右腕になる資質があると考えられますが、すでにそういった人は実質的に右腕としての役割を果たしているかもしれません。

2-5.実は社長よりも経営能力が高い

経営は経営者の専売特許だと思う方は多いと思いますが、そんなことはありません。実は右腕となっている人のほうが経営能力が高いということは少なくなく、そのほうが組織運営がうまくいくとも言われています。

ではなぜ右腕の人はナンバー2に甘んじているのか?と思われるかもしれませんが、経営者がとっているだけのリスクをとることは志向せず、「雇われ」の立場であることを望んでいる人が多いからです。

これは先ほど述べた江戸時代の番頭さんに通じるものがあります。

しかしこうした人は元から経営能力に長けていることから頭角を現し、ナンバー2として実質的に経営に関与しているというわけです。こういった能力を持っている人は右腕として成功しやすいといえるでしょう。

3.社長の右腕となる人を見つけ、育成するためのポイント3つ

今は右腕となる人がいないものの、やはりそういった存在が欲しいとお考えの経営者が知っておくべき3つのポイントをご紹介します。

3-1.すぐには見つからないと心得よう

結婚願望はあるのになかなか理想の相手と出会えないという人は多く見受けられますが、右腕探しにも同様のことが言えます。

欲しいからといってすぐに見つかるわけではなく、また有望な候補者がいたとしてもすぐに育成できるわけではないことを心得ましょう。すぐに結果を求めようとはせず、長いスタンスを持つことが大切です。

3-2.最もシンプルな剪定ポイントは「辞めない人」

右腕探しにはさまざまなポイントがあり、ネット上の記事や各種教材にもノウハウが紹介されていますが、実は最もシンプルかつ重要なポイントがあります。

それは、会社を辞めない人であることです。右腕となる人は会社のことを熟知し、多くの社員と信頼関係を作ることになるので、そんな人に多くの役割を任せて辞められてしまうと努力が水の泡になってしまうばかりか、企業秘密の流出リスクも伴います。

社長の右腕は実質的な社長ともいえる人なので、辞めない人かどうかを前提条件として精査してください。

会社への不満といった自発的な理由だけでなく、家庭の事情などで退職する可能性もあるので、そういったリスクが低い人を選ぶことで、おのずと候補者は絞られてくると思います。

3-3.候補者を信頼してどんどん権限を与える

まだ右腕として活躍できるだけの能力がないと感じていても、自然に人が成長するのを待っていてはいつまで経っても右腕は手に入りません。

まだまだ育成が必要だと思う人であれば、なおさら信頼してどんどん権限を与えるべきです。そうすることで責任感や「信頼されている」という自負が芽生えるので、人を成長させる原動力になります。

本当に右腕になったあかつきには全面的な信頼を置くことになるので、そのタイミングが少し早くなっているだけだと考えれば、抵抗なく権限を与えられると思います。

4.まとめ

社長の右腕は経営者にとってかけがえのない存在であり、企業にとっての人的資産です。

そんな重要な人材をいかに見極め、育成し、活躍してもらうかが企業そのものの成長にも大きく関係することになるので、社長にとって最大の人材育成業務だという認識でぜひ取り組んでみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です