【危険度別10段階】優秀な社員が会社を辞める兆候と定着率を高める方策

中小企業の経営者にとって、一人ひとりの社員はとても重要な財産です。特に仕事ができる人、優秀な社員であればなおさらです。

しかし、これは多くの経営者の皆さんにとって「あるある」かもしれませんが、優秀な社員ほど辞めていくとお感じではありませんか?

その真偽はともかく、優秀な社員に辞められることは大きな損失なので、可能であれば事前にその兆候を察知し、対策を打っておきたいものです。

そこで当記事では、優秀な社員が辞める際に、事前に察知できる兆候をまとめました。優秀な社員が辞めない会社づくり、組織づくりのあり方についても解説します。

1.こんな兆候に要注意!優秀な社員が辞める10の兆候

優秀な社員が辞めるまでの兆候を、10段階にまとめました。危険度で分類しているので、できるだけ危険度が低いうちに察知して有効な対策を打ちましょう。

1-1.(危険度★☆☆)同僚など別の社員から辞めたがっている噂が聞こえてくる

本人が辞めようと思っていることは、いくら胸の内に秘めていても、態度などから自然に出てしまうものです。

それを察知した同僚などが噂を広めることがあると思いますが、これはまだ本人が辞めたがっている「かもしれない」という主観の段階なので、最も初期的な兆候といえます。

1-2.(危険度★☆☆)同僚などに会社への不満を話している

人は頭の中に何かモヤモヤしたものを持っている時、いきなりそのモヤモヤの当事者にそれをぶつけようとはしません。

まずは心を許している人、そのモヤモヤに関する情報を共有している人に打ち明けることから始めます。この段階になると他者の主観ではなく、本人の口から辞めることを含めた不満が語られ始めていることになります。

人の口に戸は立てられぬという言葉があるように、そうした不満はどれだけ「ここだけの話」と念を押したところで、どこからか漏れ聞こえてくるものです。

優秀な社員が辞めることを示唆するような打ち明け話を同僚にしているとの噂が聞こえてきたら、おそらくその噂は真実です。

1-3.(危険度★☆☆)年末年始や決算などの後で見るからに振る舞いが変わった

年末年始や決算期というのは、会社にとっての節目です。その節目で人事評価をすることが多いと思いますが、節目の時期に会社からの評価を知り、それに対する不満が大きい場合は本人の態度や振る舞いに表れるようになります。

年末年始や決算期を境に振る舞いが変わったとすると、それは会社への不満が決定的なものになった兆候かもしれません。

1-4.(危険度★★☆)以前は不満が多かった社員が誰にも不満を話さなくなった

ここから先は、危険度が一段階アップします。同僚などに漏らしていた会社への不満が常態化しているのであれば、それは愚痴のレベルかもしれませんが、ある日を境にそれを言わなくなったとしたら、危険度がアップしています。

もう同僚にすら胸の内を明かさなくなっているか、辞める決意が固まりつつある心理状態を示唆しているのかもしれません。

1-5.(危険度★★☆)会社行事、同僚との食事などに来なくなる

辞めようと思っている社員の立場になって考えると、近いうちに辞めることになる会社の行事や同僚との人間関係は、すでに過去のものになってしまっている可能性があります。

そんな心理状態で会社行事に出席したり、同僚との食事などに費やす時間を無駄だと感じ、出席しなくなってくると辞める意思が強くなっていると思われます。

1-6.(危険度★★☆)会社を休むことがある(有給休暇を含む)

週末など定期的な休日以外に、有給休暇を使ったり病欠、プライベートな用事などで平日に会社を休むことが時折あるというのも、辞める兆候の典型的なパターンです。なぜなら、こうした休日を使って転職活動をしている可能性があるからです。

優秀な社員ほど辞める兆候を見せないようにするでしょうし、その方法にも長けている部分があると思いますが、平日の面接など物理的に隠しようがないこともあります。

逆に考えると、このように物理的に隠しようがないことが見えるようになってくると、退職への危険度はさらに高まっているといえます。

1-7.(危険度★★☆)後輩などに仕事をこれまで以上に熱心に教えている

優秀な社員ほど、自分が辞めることへの罪悪感があるため、辞めることによる影響を最小限に食い止めようとします。

辞める会社のことなどどうなっても良いとは考えない責任感こそ、経営者にとってはこれからも勤めてもらいたいと思う資質なのですが、本人が辞める意向を固めた段階で「自分がいなくても職場が回るように」するための行動をとるようになります。

後輩など引き続き会社に残る人に仕事を熱心に教えていることは、一見すると好ましいように見えますが、この兆候が見えた時には人によっては時すでに遅しかもしれません。

1-8.(危険度★★★)タイムカードのコピーを取っている

会社を辞める人の頭の中はすでに、「辞めた後」のことでいっぱいのはずです。辞めた後で最も心配になるのはお金のことですが、優秀な人ほどそういった心配に対してもしっかりと先回りをした対策をとります。

そんな優秀な人がタイムカードのコピーを必要としている理由は、失業保険対策です。残業が多かったのであれば給付金も多くなりますが、そのためには残業の事実を証明する証拠が必要です。

タイムカードのコピーはそれを証明する最も確実な資料なので、コピーやスマホ撮影をしているのは危険度がとても高い兆候です。

1-9.(危険度★★★)風貌が変わった

人の風貌が変わるのは、何らかの心境や状況の変化があった時です。それまでカジュアルな印象だった人が突然真面目そうな風貌に変わった、服装も落ち着いた感じのものに変わったとなると、それは面接や履歴書の写真など転職活動のためかもしれません。

逆に営業マンなどある程度真面目な風貌が求められる職種の人が、髪を染めたりカジュアルな服装をするようになった時も、今の仕事に限界を感じて辞めることを意識し始めている兆候であると考えられます。

いずれにしてもすでに気持ちは固まっており、具体的な退職や転職に向けた行動を始めているので、辞める兆候の危険度としては星3つの最終段階です。

1-10.(危険度★★★)少しずつ本人の私物などが少なくなっている

10番目にご紹介するのは、会社に置いている私物や身辺の整理です。円満退職が叶わず、いきなり辞めることになったとしても私物が置いたままになってしまわないように、少しずつ持ち帰り始めて備えていると考えて良いでしょう。

この段階になるといつ辞めると言い出してもおかしくないので、引き留めることをお考えなのであれば、よほどのことがない限りは手遅れです。

すでに会社の人間ではないと考え、私物以外に会社の備品などを勝手に持ち帰っていないか、機密データなどを勝手にコピーしたりしていないかなど、会社の資産を守ることにも監視の目を光らせてください。

2.そもそもなぜ優秀な社員ほど辞めることが多いのか

優秀な社員ほど辞めてしまうというのは、多くの経営者が共通で感じている悩みです。それではなぜ、優秀な社員ほど辞めていってしまうのでしょうか。

辞める側の心理を知るためにも、転職情報サイト「エンジャパン」のアンケート調査結果から考察してみましょう。

【参考】8,600名に聞いた「退職のきっかけ」調査(エンジャパン)

2-1.給与、人事評価への不満

さまざまな就職の目的があると思いますが、誰もが最も重視するのは何といってもお金の問題です。

「給料が低かった」という直接的な理由が退職理由の堂々1位になっており、それと同時に「評価・人事制度に不満があった」という間接的な理由も6位にランクインしています。

2-2.やりがいへの不満

やりがいというのは主観の問題であり定義も曖昧ですが、人は仕事をする以上、その仕事がもたらす結果や自分へのフィードバックを求めています。

仮に収入が良くても自分や会社にとってプラスになっていることを実感できなければ、それも辞める理由になってしまうということです。

2-3.会社の将来性

アルバイトと違って社員として勤めていくには、勤務先に将来性や安定性がなければ運命を共にするだけの価値があるとは考えにくくなります。これは先を見通す能力に長けた優秀な社員ほど、将来性を重視することでしょう。

社員自身の考えもそうですが、近年では親が子供の勤務先に対して将来性などをシビアに評価する風潮があるので、「先が見えない」ことは退職の理由に十分なり得ます。

2-4.人間関係

退職理由の第4位にランクインしているのが、人間関係です。これを1位だと思っている人は多いと思いますので、少々意外に感じられた方も多いのではないでしょうか。

以前であれば人間関係で会社を選ぶ人はもっと多かったかもしれませんが、新型コロナウイルスによる働き方の変革もあってテレワークや時差出勤などが広く普及しており、人間関係をそこまで重視しない考えの人も増えています。

2-5.残業、休日出勤などの長時間労働

若い世代を中心に収入よりもワークライフバランスを重視する人が増える中、長時間労働を嫌う傾向はより強くなっています。

「モーレツ社員」という言葉が流行した時代とは明らかに価値観が変わっているので、休日出勤や残業の常態化といった勤務実態だと、優秀な社員か否かにかかわらず辞めたいと考える火種になるのは間違いありません。

3.優秀な社員が辞めないようにする会社づくり

優秀な社員が辞める10の兆候と上位5つの退職理由を踏まえて、優秀な社員が辞めることなく安定した組織運営をするための方策を3つにまとめました。

3-1.公平な評価と適正な報酬

優秀な人は自分の能力や働きを正当に評価できるため、それが会社からの評価と合致していないと不満としてくすぶることになります。

過大評価で高い報酬が得られればそれで満足かというと、優秀な人ほどそうではないと考える傾向があるため、公平な評価とそれに基づいた適正な報酬体系はとても重要です。

とかく中小企業では主観的、恣意的、属人的な評価になりがちですが、これが優秀な社員の流出要因になるという認識を持って、ITを活用するなど公平な人事評価システムを導入することは大いに意義があります。

3-2.社員への信頼とやりがいのある仕組みづくり

やりがいを感じなくなったことが退職理由の2位にランクインしている事実を踏まえ、やりがいの創出も経営者の役目であると認識しましょう。

最も簡単かつ確実なのは、経営者が社員を信頼して責任のある仕事や判断を任せ、それによって生まれた成果に対して正当な評価を与えることです。

これを制度化、システム化することによって、「優秀な人にはそれなりの待遇がある」という認識を社内全体に広めることができるので、他の人のモチベーションを高める効果も期待できます。

3-3.成長ビジョンを明確にする

成長性のなさを退職理由に挙げる人が多い以上、会社として成長ビジョンを明確に示す必要があるでしょう。

優秀な社員には他にも活躍の場がいくらでもあるわけで、そんな人が会社に成長性を感じなくなったらどんな行動を取るか、言うまでもないと思います。

「社員は黙ってついてくれば良い」というのは、死語といっても良いほどの昔話です。会社や経営者の考えを発信し、伝え、そして共有することが重要です。

そのビジョンや構想を具体的な形にしてくれるのは、他でもない一人ひとりの社員なのですから。

4.まとめ

優秀な社員ほど辞めていってしまうので、何とかしたいとお感じの経営者の皆さんに、今知っておいていただきたい情報をまとめました。

危険度の段階別に辞める兆候を解説しましたが、思い当たる兆候がいくつもあったのではないでしょうか。

病気の早期発見と同じで、辞める兆候も早く察知するほど引き留めるために打てる方策も多くなりますし、効果も大きくなります。

人あっての企業という認識をしっかり持って、特に優秀な社員が辞めてしまわない会社づくりにお役立てください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です